good night dear

sleep like a baby

20180529/BLESS THIS MESS@HOLIDAY SHINJUKU

はじめに

BLESS THIS MESSのステージを観るべく、新宿は歌舞伎町のライブハウス「HOLIDAY SHINJUKU」へおじゃましてきました。この日の前日にあたる5月28日は、ブレメス結成3周年のお誕生日。それと同時に、立ち上げメンバーの脱退から、まる1年が経った日でもあります。

解散や脱退はバンドに付き物だとわかっているけれど、終わりをむかえるときはやっぱり悲しい。柳さん(Vo.)と蘭丸さん(Gt.)と駁さん(Ba.)の三人組で成り立っていたブレメスが、なんらかの事情で柳さんひとりの活動になったときも、なるべくいたずらに暇を作らないようにしていました。

だけど今となっては、メンバーさん自身の手で脱退の選択を下してもらえた優しさを、ひしひしと感じるばかりです。去年からアヴィーチーやリンキンのチェスターをかなしい形で失って、なおのことそう感じます。それに、誰かとの別れが寂しくなる人生は、寂しくないなとも思えました。

その上で今のブレメスが織りなす音楽が大好きで、とことん寂しくなってやるぞという気持ちなのです。BLESS THIS MESS、3周年おめでとうございます。新章ブレメス、いつもありがとうございます。

というわけで、ライブの感想です。

対バンの印象

Sclaim

youtu.be この日の前バンドは、名古屋・東京ツーデイズ敢行中のSclaim(スクレイム)。
去年の秋に「LUNA SEA限定Session Night@目黒 LIVE STATION」でいちど拝見しているバンドさんです。 youtu.be 当時はルナシーを意識したダークな衣装だったけれど、この日はあたまからつま先までとってもカラフル。極彩色がステージにそろった瞬間、黄色い歓声がわっと湧きあがっていました。

「スクレイムはやばいよ。素人が安易に手を出すと、眩しすぎて死ぬよ」
ファンの方からそうお聞きしていたのですが、これには深くうなずくばかり。ボーカルさんの透き通った歌声とメロディアスな演奏、フロアを彩るフラッシュリングの海。あまりのきらびやかさに何度も「おろろ」と痙攣しながら、東尋坊へ行きかけました。ちょっと刺激がつよかったみたい。

なんて言いながらも右へ左へのモッシュにすっかり感化され、見よう見まねで飛びはねると、これがとってもたのしいのです。たしか、二曲目に披露された『Celestial Sphere』だったかな?宇宙をただよう雰囲気を堪能させていただきました。

ブレメス本編

序盤

youtu.be ふっと会場が暗転し、布のすべる音をのこして黒幕が引かれます。オープニングSEと共にサポートを務めるHakuyaさん(Dr.)があらわれ、立石 恁さん(Gt.)とRegaさん(Ba.)が入場。その最後に口裂け男めいたメイクの柳さん(Vo.)がゆっくりと歩いてきました。

「やなぎやなぎやなぎー!!」
「じんじんじんじんー!!」
「れがれがれがれがー!!」

メンバーそれぞれの名前を呼ぶ歓声にむかえられるなか、しかし誰ひとり笑顔を浮かべることはなく、うつむきがちに楽器を構えます。そうして柳さんが真横いっぱいに裂けた口を開くと同時、新曲『MIRROR MIRROR』がスタート。

MIRROR MIRROR

MIRROR MIRROR

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥250
わたしはまだこの曲のきっかけを掴めておらず、最初はおろおろ。だけれど最初の英語シャウトでリスナーさんたちが一斉に逆ダイをする瞬間、音のうずに飛び込めるのですよね。

そこからあとはもう、駆ける旋律に振り落とされないよう全身で追いかけて、こぶしを突き上げるばかり。心臓がどきどきして息苦しいのに不思議と笑みのこぼれる、その流れがもう本当にたのしくって。

躍動的な演奏と目まぐるしく展開するメロディー、ときどき視界の縁をかすめるリスナーさんたちの笑顔。そのすべてが心地よく、ずっと頬がゆるみっぱなしになってしまいます。

モヒカン頭にトゲ付き肩パッドで火炎放射器、そんな自分でもニコニコほがらか笑顔になれるので、音楽のちからはすごいです。

そうそう、二番のどこかにとっても没入感の高いメロディーがありました。ドラマチックと言えばよいのか、なにか無性に泣きそうになって……すこし下を向いてしまったり。一体どこに反応したのかはわからず、記憶を手繰り寄せようとしても、なんにも思い出せません。ただただ心を引っかかれたような余韻だけが、胸にのこっています。

ああ、やっぱりはやく、フルバージョンのMVを観たいなあ。しっかり聴きこんでライブにのぞめたら、もっとたのしいもの。

中盤

前回の「新章ブレメス」おひろめ以降、ステージングの熱量がいっきに増したと感じています。

この日の恁さんは寡黙な佇まいながらも、喜怒哀楽のすべてを指先に預けるかのようなギタープレイを叩き付けていました。それとは対照的にベースのRegaさんはオーディエンスに向かって吠え、ステージの前方ぎりぎりにしゃがみこんで弦をかき鳴らす一幕も。

かと思えば、曲間のMCでは柳さんが声のトーンを落とし、「今日はじめて観るひとたちも、いつも来てくれるひとたちも、ありがとう」とフロアの顔に視線を点々と置きながら語り掛けます。その緩急の差に、目も耳も離すことができませんでした。

個人的には「ブレス・ディス・メスです!」とバンドネームがはっきり聞き取れるのも、うれしい瞬間です。

7月3日の無料ワンマンの告知を簡潔にはなした柳さんは、「ワンマンまであと二回しかないんだよ。だから今日、最高にかっこいいバンドでいないとさ」と言い放ちます。それからバンドは、アルバム『XIALL RAIN』の収録曲『old 【new】order』をプレイ。

Old (New) Order

Old (New) Order

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
開放感あふれるシンセサウンドと生音に合わせて、伸びやかな歌声がひびきました。

終盤

ラストは『barbarism』へとなだれ込み、「俺に合わせて!」の煽動をきっかけに、無数の拳が突き上がります。ここ最近は『醜滅醜焉』が最後にくることが多かったので、とってもびっくり。ひさしぶりに生で聴くと、無駄を削ぎ落としたシンプルな格好良さにしびれてしまいますね。とくにイントロの……こう……デッ!デッ!デッ!ヅングヅクヅグ!うーん、うまく例えられないけれど、野性味あふれる音がたまりません。

かたやRegaさんは大粒の汗を散らして暴れ倒していたかと思うと、とつぜん下手のステージ前方ぎりぎりにあるモニター?へ横向きに腰かけ、演奏を中断。肩でおおきく息をつくやいなや「あついー……」と唇を動かしているのが印象的でした。

そして何より最近は、回を重ねるごとに増す加速度にびっくりします。本当に!それはヘアメイクの変化ひとつとっても、ぜんぜん違うのですよね。とくに今回は照明の強い光に負けない濃い目のお化粧になっていて、オープニングではその舞台映えぶりに「あっ」と、ちいさく声を上げてしまいました。

とっても、とっても、たのしかった。無料ワンマンへの期待値が否応なしに高まって、この日のステージは幕を閉じました。

セットリスト

1.MIRROR MIRROR
2.Freak Show
3.old 【new】order
4.barbarism

公演情報

2018/05/29 (火) @HOLIDAY SHINJUKU [Dark Ambition Exposed vol.76]
Starwave Records presents
OPEN / START
OPEN 15:00 / START 15:30 前売 3,500円 / 当日4,000円 (※D代別)
CAST
BLESS THIS MESS / 怪人二十面奏(ゲスト) / FIXER / Scarlet Valse / DIEALO / SIRENE / Sclaim /glamscure