good night dear

sleep like a baby

20180605/BLESS THIS MESS@池袋RUIDO K3

はじめに

ちょこちょことライブへおじゃまするようになってから、なんだか肩周りがしっかりしてきたような気がします。もしかしてもしかすると、今なら球速140キロくらい出せてしまうかもしれない。スポーツテストのボール投げはいつも飛距離2メートルを越えなかったけれど、パワーアップした今のわたしなら……。

というわけで、またまたBLESS THIS MESSの出演するライブへ行ってきました。この日はブレメスにとって初の試みとなった、昼夜ツーステージ。まったく異なるイベントへの出演だったのですが、なんだか二部構成のような、とっても贅沢なステージでした。

まずは池袋RUIDO K3の感想です。

対バンの印象

DAV

youtu.be 道化師めいた笑顔の覆面を使ったシアトリカルな演出で、フロアは何度となく「あはははは!ヤバい、ウケる!」とにぎやかな声があふれていました。だけどそうして笑うオーディエンスを笑っているような……なにか、静かな毒気をたたえている演者さんに感じられて、ちょっとドキッとしてしまいました。「見る側」と「見られる側」の一方的な関係性が通用しないというか。二曲のみの演奏を終えるとそうそうにステージを退出していて、フロアには「もう終わり?もう終わり?」と余韻だけが残っていました。

Ronovell

youtu.be 二度目ましてのバンドさん。黒いフードを目深に被った装いだったので最初はお顔が分からなかったのですが、ボーカルさんがハイトーンの咆哮をあげた瞬間、ああっ、ドラムの方が骨折していたところの……!と気づきました。エリアでご一緒したファンの方がとっても感じの良いおねえさんで、応援する姿勢が素敵だったのですよね。それで、最前列へおじゃましちゃった。お腹にずしんと来るのにメロディーが綺麗な一曲目が、すごく格好良かったです。

最後のXOXOを君と

youtu.beパリピ系バンド」がコンセプトとのことで、ハンドクラップや扇子で踊れるポップなパーティーチューンが印象的でした。ただそれよりも、ベースさん失踪の衝撃がつよくって。機材や衣装がたりない状態でステージに上がる気持ちをおもうと、言葉がなくなっちゃいますね。頑張ってくださいと声をかけるのは無責任かもしれないけれど、応援したくなるバンドさんでした。

ブレメスの感想

序盤

youtu.be バンドネームを唱えるSEが流れるなか、サポートをつとめるHakuyaさん(Dr.)、立石 恁さん(Gt.)、Regaさん(Ba.)、柳さん(Vo.)が続々とステージへ足を踏み入れます。前置きはいらないとばかりに各々が楽器を構えると、攻撃的な『barbarism』がスタート。最前列との間をしきる柵に演者みずから足をかけ、限界までフロアに身を乗り出して熱いプレイを繰り出しました。

この日は2番手とかなり早い出番ながら、なにか「全員で首を取りに行くぞ」と挑戦状を叩き付けるような熱量がたっぷり。ほとばしるエネルギーを受けると、オーディエンスもまた全力のレスポンスを返します。ライブはのっけから、想像以上の熱気です。

「ブレメスです!よろしくお願いします!」そう告げて存在を示したかと思えば、咆哮にも似た声で「頭!!」「いいぞ!やれやれ!!」と煽る柳さん。

このライブはいつもの二割増しで攻撃的なスタイルだったのですが、普段のステージを思い返してみても、柳さんのマイクパフォーマンスはどんどん変わっていっていると感じます。こちらが欲しいタイミングで「俺に合わせて!」「折りたため!」とフロアを誘い込んだり、声のトーンを落として寄り添うように語り掛けたり。ステージとフロアの境目がわからなくなるほど一体感を味わえるのがうれしいです。

中盤

続けてバンドが叩き込んだのは、俗世間へのアンチテーゼを謳った『Mr, Human Error』。長らくセットリストに入って来なかった初期の楽曲にわっと歓声が上がります。わたしに関してはほとんど一年ぶりだったので、思わず「わあ、なつかしい!」とこころの声が口をついて出てしまいました。また、メンバーチェンジ後の演奏を聴くのもこの日が初めてだったのです。

「愛想笑いばかり覚えた、感情のないニュースキャスター」皮肉めいた歌声のその後ろでは、いつの間にか歩み寄ったRegaさんと恁さんが至近距離で向き合って、「ニュースキャスター!」と指をさしあいます。うーん、とってもすてき!あの演出はどなたのアイデアなんだろう?寸劇とまではいかないけれど最近のブレメスは大人の遊び心が満載で、おもわずメロイックサインを返してしまいました。

しっかりとフレーズを押さえながらも、ステージングの自由度は加速を増すばかり。ときにはベースを頭上に大きく掲げ、フロアに背中を向けて踊り、マイクコードをくるくると弄び、一秒たりとも目の離せない展開にどんどん引き込まれていきました。面白いのは、恁さんとRegaさんが上手と下手でパフォーマンスをしていると、柳さんも格好良くみえるのですよね。その反対もしかりで、それぞれの個性がお互いの魅力を高めあっているようにかんじました。

そしてそして、曲の後半にあるギターソロ。軽快ながらどこか郷愁のただよう音色が、これでもかと胸に迫ってきます。収録アルバムの『Hymn』で聴く音色とはまったく違う魅力があって、ああ恁さんが弦を爪弾くと『Mr, Human Error』はこうなるんだ……と、人知れず胸を打ちふるわせた瞬間でした。大好きなパート、大好きな音です。

終盤

「ブレス・ディス・メスです!こんにちは、ブレメスです!」

柳さんのMCに入り、ようやくメンバーさんたちのルックスをしっかり見る余裕が生まれました。すごい!もう、もう本当に……本当に、回を重ねるごとにどんどんブラッシュアップされていっています。

とくにRegaさんがかなり体を絞っているのには、びっくりしました。一週間前のホリデー新宿のときにもそのヴィジュアルの変化に驚いたけれど、またさらに磨きがかかっていて。柳さんはティム・バートン監督の作品に出てきそうなリップメイクがもっと素敵になっているし、恁さんは、恁さんはツーステージ目で開幕そうそう地球破壊爆弾を放って、高田馬場を焼け野原にしていたし。

わたしは「ブレメスさんは甘口・中辛・辛口とそろっていますね」と何ひとつうまくない感想を二度にわたって公式へ送り付けたことのある前科持ちなのですけれど、やっぱりここでも、バンドとしてのバランスの良さを語らずにはいられません。四時間ほどルイードに滞在したあいだに、もう何度メンバーさんたちへの「ヤバい、かっこよすぎる」「全員かっこよすぎて選べない」を聞いたかわからないもの。ちょっと、今までに感じたことのない空気感でした。

そんな狂騒のラストを飾ったのは『16』です。これもまた初期の楽曲で、一気に加速する曲調にリスナーさんたちは大盛り上がり。ざくざく刻むような凶暴なベースとドラム、そこに乗っかる妖しげなギター、もうとってもとってもきもちいい。

興奮をおさえきえないフロアに向かって柳さんが「16を数える前に、16の罪を懺悔しろ!」と挑発的に歌うと、続けざま「死んでみろ!」と畳みかけます。それをきっかけに超高速のヘッドバンギングが巻き起こり、ボルテージは最高潮。むせかえるような熱気を残して、ステージの幕が下りました。

セットリストは3曲と少なめですが、それをはるかに上回る満足感。披露された全曲がファーストミニアルバムの収録曲で、とっても贅沢な時間を過ごすことができました。 レーベルメイトのUNDER FALL JUSTICEさんとScarlet Valseさんを拝見できなかったのはちょっぴり残念だったけれど、ブレメスを応援するべく、高田馬場AREAへ向かったのでした。

セットリスト

1.barbarism
2.Mr, Human Error
3.16

Starwave Records Vol.6 [DVD]

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公演情報

[Dark Ambition Exposed vol.77 〜Scarlet Valse Raizo birthday Special〜]
SAVAGE(ゲスト) / Scarlet Valse / UNDER FALL JUSTICE / KRAD / 最後のXOXOを君と / Ronovell / ℃ellsius / CRISIS / DAV / BLESS THIS MESS