good night dear

ライブの感想など

20180605/BLESS THIS MESS@高田馬場AREA


BLESS THIS MESSのツーステージ、後半戦。池袋RUIDO K3を出たあと、次の舞台がある高田馬場AREAへと向かいました。

ルイードの攻撃的なライブとはまた違い、エリアはもう開演から閉幕まで、どこをどう切り取ってもクライマックス。あまりにもレアすぎるパフォーマンスを体験して、文字どおり狂喜乱舞なのでした。

そう、体育の授業では「生涯戦力外名誉選手」のタイトルをひとりじめしてきたわたしでも、ブレメスのおかげで「真上に飛ぶ」「横に揺れる」「グーパンチを突き上げる」能力が、めきめきと高まってきています。これはもう……あつい静止をふりきっての球界進出、待ったなし、やもしれません……。

というわけで、またまた筆圧つよめの感想です。

対バンの印象

マーブル

とってもひさしぶりに拝見したのですが、コンセプトやストーリー性などのシアトリカルな要素で魅せていく演者さんでした。壇上から演説をとなえるようなMCだったり、『ピグマリオンスピーチ』ではお客さんたちが一糸乱れぬうごきで敬礼めいた振りつけをしたりと、世界観ができあがっていてすごかったです。

電気茶道部

ヴィジュアル系初!の茶道部だそうです。ボーカルの山田さんは、今はなき池袋のライブハウス「鈴ん小屋」さんのアコースティックイベントでお見かけしたことがあるのですが、ユニットだとまったく印象が違っていて、びっくり。X JAPANの『Rusty Nail』を彷彿とさせる曲があったかも?

ジグラット

二度目ましてのジグラットさん。どこまでも鬱々としたメロディーに巻き舌気味のボーカル、なんだかとっても懐かしい雰囲気があります。ドラムの機材トラブルが起きたときにボーカルさんがぽつぽつと言葉を紡いでいらっしゃったのですが、湿り気を帯びた空気感がまた良い味になっていました。転換中にながれていた曲がとっても格好よかった。

ライブの様子

SE

トリをつとめるBLESS THIS MESSのSEが流れ、バンドロゴの入った黒地のドロップアウトがステージの奥に姿をあらわします。いよいよ開演です。

この日は事前に立石 恁さん(Gt.)のほうから「せっかくのツーステージなので、当日の装いは2way仕様でいきます」と告知がありました。アイメイクが変わるのかしら、それとも衣装が変わるのかしら、とぼんやり想像をめぐらせていたその矢先、下手の舞台袖からふらりと伸びるギタリストの人影。瞬間、悲鳴ともつかない歓声がフロアを揺らしました。

コールを一身に浴びるのは、いつもは下ろしている前髪をオールバック風に編み込んだ恁さん。そのあまりの華やかさに「じんじんじんじーん!!」「カッコイイー!!」と驚喜の声が鳴りやまないのだけれど、とうの本人はどこ吹く風、足を大きく開いて黙々とギターを構えるのです。この佇まいもまた魅力だとおもいます。

序盤

どよめきがおさまらない中、この日のバンドは哀切なバラードソング『Lunar Regret』から始まりました。今にも壊れてしまいそうなもの悲しい音色の上で、スカルメイクでばっちりキメた柳さん(Vo.)が、艶のある低音を落とします。最初は儚く、演奏がすすむにつれて情感ゆたかに歌い上げる圧倒的な存在感に、会場はじっと聞き入りました。

もちろん歌だけではなく、演奏もすばらしいのです。楽器がどうとか音色がどうとか専門的なことはまったく分からないのですが、とにかくこのステージでは、表現者としての力に魅せられっぱなしの時間でした。

たとえば「帰れなくなってもいい、体力全部ステージに置いてきます」と語っていたRegaさんの、初期衝動を全身全霊でステージにぶつけるアグレッシブなベース。恁さんがのけぞるように髪を振り乱したときの、しなやかに半弧を描く真っ赤な毛先。それらひとつひとつが、緊張感と衝撃をもって何度も何度も心にせまってきます。

とりわけ、ギターソロからの流れは圧巻です。大きく脚を開いてかなり低めにギターを構えるすがたには、神々しいほどの色気があふれています。「ギターからぴょこんと生えている銀の棒(お名前がわからない)」で小刻みに弦を搔きならし、ためこんだ感情を切り裂くような歪みの音色を、これでもかと叩き込むその……もう言葉にならないのですけれど、とにかく最高の演奏。最高の音。最高のメロディー。

そのうえ終盤ではさっきまで本能のままに暴れまわっていたRegaさんが、その場に崩れ落ちるかのように両膝を床につき、放心した表情を浮かべるのです。あまりにもその一瞬がすごすぎて……、ブレメスのベーシストとかバンドマンのRegaさんとか、そういう枠組みをすべて超えて心を打たれました。

そしてそんなふたりの中央に立つ、柳さんの歌声。『Lunar Regret』はこの日はじめて生で聴けたのだけれど、CDやMVをはるかに上回る説得力に鳥肌がとまりませんでした。アナログな手ざわりの熱は、これぞブレメスの真髄、と言い切ってしまいたいくらい。本当に本当に、すごかった。ああ、またどこかのステージでじっくりバラードを聴きたいなあ。ブレメスを知らないお客さんたちにも聴いてほしいなあ。

こうした三人が、同じステージのうえで同じ時間に交錯していることがおそろしく、なにか群像劇のワンシーンを観ている心地にすらなりました。全編クライマックスのようなライブのなかでも、とくに忘れられない場面です。

中盤

感無量でみまもるオーディエンスの前に、今度はおなじみの定番曲『old【new】order』が響きます。足元一面に青いひかりの宇宙が広がっていくような開放感が、とってもきもちいい。

きらきらした音の粒が降りそそぐなか、恁さんとRegaさんは跳ねるようなステップを踏んでいます。そのまんなかに立つ柳さんは両手をおおきく広げて片足でリズムをきざみ、リスナーさんたちは「もう一度!」と人差し指を高くつきあげる。だけど、今日と同じ瞬間はもう二度とめぐって来ない……なんて眩しくて、しあわせな光景なんでしょう。

やがてMCの時間がとられます。昼間の池袋RUIDO K3はどこか敵陣に乗り込むような雰囲気でしたが、エリアはなんだか実家のような安心感。マイクを握る柳さんはそうそうに告知を切り上げ「そんな事より、恁くんのこの新しい髪型どうよ?ちょっとこれは敢えて触れていくけど、どうなの?この恁くん!」と、しかしいつもどおりマイペースによそを向いている恁さんを、手のひらで指し示します。

オーディエンスがメロイックサインや拳を突きあげてそれに応えると「さっき楽屋で初めて見たんだけど、まさかこんな風になってるなんて知らなかった」と裏話がなされ、なごやかな笑いが起きました。

終盤

それからバンドは新曲『MIRROR MIRROR』を届けます。これまではなかなか曲のきっかけをつかめなかったのだけれど、MVでしっかり予習できた今回は、きもちよく音の波をつかまえることができました。聴けば聴くほど好きになる曲だとしみじみ。

耳に間違いがなければ「Under myself……」と聴こえるパートでは、オーディエンスが一斉にからだを折りたたみます。重く粘り気のあるグルーヴ、地の底から迫りくるベースの音圧、煽情的な鋭いシャウト。もうもうもう、格好いいなあ。どうしてこんなに格好いいんだろう?

ずっしりと骨太なのだけれど泥臭くは転ばず、むしろどこか洒落たクールな温度感がたまりません。柳さんと恁さんとRegaさん、そしてステージのサポートをつとめるHakuyaさん(Dr.)だからこそ描き出せる高純度な高揚感に、からだの熱は増すばかり。

新章ブレメスを象徴するような疾走感を保ったまま、最後はのこりの体力を完全に絞りきる『barbarism』でいっきに畳み掛けます。曲終わりで後ろ向きにジャンプした柳さんがそのままステージに倒れ込むと、その拍子にスマイル全開なHakuyaさんがドラムの奥から顔をのぞかせ、最後は一斉にキメのジャンプ。長い長い一日に、ようやく幕が降りました。

ツーステージをふりかえってみると、初期の楽曲から最近の楽曲をひとつひとつ辿っていくような、今回のセットリスト。過去ごと包み込み、ファンと共にこれからを歩むバンドの現在形が映し出されていて、なんだかじーんときちゃいました。エリアのブレメスだいすき。ブレメスのエリアだいすき。

メンバーさんもファンのみなさんも、ありがとうございました。またぜひぜひ。

セットリスト

  1. Lunar Regret
  2. old【new】order
  3. MIRROR MIRROR
  4. barbarism

公演情報

Takadanobaba AREA presents~AREA 21st Anniversary~
BLESS THIS MESS / リジェーヌ / 電気茶道部 / マーブル / ジグラット / ALA-EVE / NECLOS