good night dear

sleep like a baby

20181018/BLESS THIS MESS@池袋EDGE

はじめに

去る10月18日、「ありがとーー!!」「ブレメスありがとーーっ!!」と歓声の鳴りやまない空間に足を運んできました。今年の9月7日にとつぜんの解散発表がなされ、この日の公演をもって活動に終止符を打つことが決まっていたBLESS THIS MESS。それから一週間後に控えていた前回のライブでは、全曲バラードというなんともファン泣かせなセットリストで、聴き手を魅了していました。

一方、続く今回は「湿っぽく終わりたくない」という柳さん(Vo.)の希望を反映してか、暴れ曲やダンスチューンで構成されたセットリスト。別れのさびしさがまったくないと言えば嘘になりますが、バンドの軌跡を歩むような流れを間近で見詰められたおかげで、個人的にはとてもすがすがしい気持ちになれました。

というわけで、正真正銘、ラストレポートです。

ブレメス感想

最後の勇姿を見届けるべく駆け付けたファンの前にブレメスが姿を現したのは、ほかの対バン陣がすべて出番を終え切ったあとでした。フロア後方に設けられた関係者席にはバンドマン然とした男性たちが立ち、腕組みの立ち姿でステージを見つめています。

「やなぎぃーーっ!!」「じんじんじーん!!」「れがれがれがれがーーっ!!」
メンバーを呼び求める男女さまざまの声が鳴りやまない中、ドレスシャツに黒いジャケットを羽織る『MIRROR MIRROR』の衣装をまとった柳さん(Vo.)が、遠くを見据えたままマイクを握ります。

「俺たちは今日解散します」
「バンドが解散する事には未練と後悔しかありません」
「でもバンドはいつか必ず終わります」

いつぞやの公式ブログにも綴られていた想いが今一度紡がれると、その次には「声を聴かせてくれよ。その声が俺たちの細胞に残るから」と、どこまでも柳さんらしい言い回しで最後の願いが落とされました。

barbarism

この日のブレメスは『barbarism』の男くさい演奏からスタート。しょっぱなからヘッドバンギングの嵐を巻き起こして会場を興奮状態にさせると、間髪入れずに『蝋涙に死す。』を叩き付けます。『SLAM DUNK』の桜木花道よろしく赤髪でキメたRegaさん(Ba.)が「裁きをくれ」の歌声にあわせて客席を睨み付ける姿もまた、フロアの興奮をさらに高めていました。

MC

この辺りだったか、曲が終わるやいなや柳さんが上手の舞台袖に捌けてしまいました。次に戻ってきたときにはふたたびマイクを握り、「水飲みたくなっちゃったからMC入れちゃったよ」なる一言。フロアの顔がいっきにほころんだ瞬間です。

「入れる予定なかったのに」と落とされる低めの声に、横から恁さん(Gt.)が目の前のスタンドマイクに顔を寄せ「柳さん、柳さん。予定どおりにいかないもんですね」と言葉を重ねます。こちらもまた目の周りを黒々と塗り囲んだ攻撃的な風貌からは想像のつかないユルさで、恁さんペースを披露していました。

MIRROR MIRROR

MIRROR MIRROR

MIRROR MIRROR

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥250
しかしそのままアットホームな雰囲気を引きずらないのが、ブレメスの格好よさです。現体制ブレメスの代表曲『MIRROR MIRROR』が始まると、柳さんが「鏡を見ようとしないままの……FOOL!!!」とギアを入れ、会場の空気をいっきに高みへ引き上げました。たちまちRegaさんは鼻に皺が寄るほどの雄叫びをあげ、恁さんは力強く、それでいて冷静に弦を掻き鳴らし、サポートを担う深町 光さん(Dr.)も髪を振り乱してリズムを刻む。そしてそんな四人のスピードに振り落とされないよう、リスナーも全力で「オイ!オイ!」と拳を突き上げていきます。

曲の終盤では柳さんが「キミの夢さえ僕が笑おう」と手のひらを滑らせながら客席を指し示していて、歌詞以上のメッセージ性にたまらなく胸を熱くさせられました。のちのちのMCで語っておられた「バンドはなくなるけど、曲は残る」という言葉を、心から信じたくなります。ブレメスの活動は幕を閉じても、世に出された楽曲はきっとこれからも既存のファンの、新たなファンの、拠り所になっていくのだろうと思います。

Freak Show

Freak Show

Freak Show

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
そんな感情を聴き手に湧き起こしつつ、本編終盤では初期の楽曲『Freak Show』が披露されました。下手のRegaさんは自分の頭を指さしながら客席を挑発したり、演奏をかき消さんばかりの咆哮を上げたりと、とてつもない生命力の塊と化していました。ライブ中には何度も上手のほうまで移動して、客席の顔ひとつひとつに目線を合わせたり、笑顔の口を真横いっぱいに広げて「うおーっ!!」と声を出したり。

そうしたファンサービスを繰り広げていたRegaさんには、目を真っ赤にして、親指の腹で目元の涙を拭っている瞬間も。喜怒哀楽のすべてを剥き出しにするその姿に、おもわず胸が詰まりました。

[blind Circus.]

blind Circus.

blind Circus.

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥250
最後は『[blind Circus.]』。イントロが流れるやいなや柳さんが「俺の真似をしてくれ!」と言い放ち、腰に片手を添えて膝を上下に落とします。とつぜんの振り付けで観衆を驚かせ、笑顔にさせてしまうのは、フロントマンのなせる業でしょうか。

間奏では恁さんが「きゅいっきゅいっ」「わっちゅっちゅー」とギターの音色をワブルベースのようにうねらせ、柳さんの歌声をどこまでも恁さんのテイストで味付けていきます。そろそろ規制がかかりそうなほど何度となく同じ感想を書き連ねてしまうのですが、おふたり、いえ三人の才能のぶつかり合いをCDという形で手に取れたことは、ほんとうに幸せだとおもいます。

終盤ではオレンジがかった温かい光に包まれて、柳さんの歌声に恁さんとRegaさん、そして会場のコーラスが溶け合い、なんとも多幸感に満ちた空間がうまれていました。と同時に、ああこのコーラスを聴けるのも最後なんだな、と感傷的な想いで胸がちりちりと痛みました。

EN1 & EN2

そんな聴き手の事情はお構いなしに、全5曲のセットリストをまたたく間に駆け抜けていったブレメス。残響音すらなくなったステージがいよいよ無人になると、しかしどこからともなくアンコールが沸き起こりました。

上手と下手から「アンコール!」「アンコール!」と交互に折り重なる声には、少しばかりくぐもった、涙濡れの音も含まれています。男性の力強い声もおおく、会場にのこっている誰もがふたたびの登場を待ち望んでいるようにおもえました。

Old (New) Order

Old (New) Order

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
やがてステージがふっと照明で照らされ、ふたたびメンバーさんたちが姿を現しました。「ひとつになろう!」という柳さんの声から始まった『old 【new】 order』では、開放感たっぷりのクラブサウンドに乗ってステージ上もフロアも一斉にジャンプ。
Persona

Persona

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
その後には、これまでに何度もフロアを湧かせてきた妖し気な人気曲『PERSONA』を乱れ撃ち。本編を終えた安堵感なのか、このときのアンコールでは、メンバーさんたちの表情に和らぎがあるようにかんじました。

たとえばそれは恁さんが下手のRegaさんをくいくいっと逆手で煽ったあと、すすす……とすり足で向かおうとする一幕。Regaさんが脛丈のハーフパンツから伸びる足を器用に動かして、ダンスステップを踏む一幕。柳さんが恁さんの顔を覗き込んで「もう一度!」と歌詞を唱え、愛犬をいとおしむような手付きで顎の下を撫でる一幕。そのどれもが楽しかったからこそ、自然と「ありがとー!!」「ブレメスありがとーっ!!」という声で、去っていくメンバーさんたちを見送ることができました。

EN3

床に座り込んでむせび泣く顔、笑顔で体を寄せ合う顔、最前列に立ったまま動かずじっと紗幕を見つめている顔、いろんな顔が目に飛び込んできます。わたしは前回大泣きしたからでしょうか、参加を諦めていたラストライブに急きょ足を運べたからでしょうか、この日は不思議と晴れやかな気持ちで満たされていました。

するとそのとき「ア゛ンコール゛!!ア゛ンコール゛!!」と真っ黒いステージカーテンの向こう側から太い声が放たれたのです。これにはすっかり帰り支度をしていたリスナーがどっと沸き立ち、なかば弾かれたように定位置へ引き返しながら「あっ、アンコール!アンコール!」とおおきな声を返します。

「ア゛ンコール゛!!ア゛ンコール゛!!」
「アンコール!アンコール!」
「ア゛ンコール゛!!ア゛ンコール゛!!」
「アンコール!!!アン……わぁーーーっ!!」

布一枚越しの掛け合いの末、またしても舞台袖から出てきたメンバーさんたちが最後に披露したのは、彼らを象徴する代表曲『MIRROR MIRROR』。旧体制のころの楽曲で始まり、この曲で締めるという流れがなんとも嬉しく、明日に余力を残そうとしない渾身のギターソロではとうとう感極まって鼻をすすってしまいました。

ブレメスは歩んだ軌跡をいとおしむように、全身全霊のステージングを見せ、トリプルアンコールを含めた約1時間のライブを駆け抜けていきました。最後まで舞台にのこっていた恁さんが胸の前で両手を合わせながら客席に一礼し、上手奥へはけたあとも、会場中からメンバーを呼ぶ声が止まりませんでした。「ありがとーーっ!!」「ブレメスありがとーーっ!!」と、舞台をおおう紗幕の向こう側まで届かんばかりの歓声が、いつまでも鳴り響いていました。

バンドの表層的なところはダークで、攻撃的で、毒々しかったけれど、どの曲もどのライブも根底にはかならず愛が流れていたようにおもいます。誰も彼もが汗びっしょりになり、だけどやり遂げた顔をしていらっしゃいました。メンバー同士でひしと抱き合って、ハイタッチをして。ギターネックにキスをして、ベースを高々と掲げてフロアのコールを煽って。マイクを手にしたまま、ドラムセットの前に倒れ込んで。ときどき天を仰ぎ、あらん限りの力でドラムスティックを振り下ろして。命を燃やし尽くさんばかりにぶつかり合うさまを追いかけられたこと、本当に幸せでした。

格好よかった。最高だった。最高のヴィジュアルロックバンドだった!
短い人生のなかで、こんなにも寂しいとおもえるバンドに出会えてうれしいです。BLESS THIS MESS、音楽をとおして未来に飛び込む勇気を教えてくださってありがとうございました。蘭丸さん(Gt.)や駁さん(Ba.)が居たころを含めて、このバンドがなかったら間違いなく今のわたしは在りません。ずっと自信なく俯いたままで、東京にも出てきていないし、今の仕事もしていないでしょう。

国内や国外のプレイアーさん、驚きや感動を共有してくださってありがとうございました。ライブの回を追うごとに「や゛な゛ぎ、かがってこい゛よ゛ォ!!」と古き良きファンコールが増えていく様子に、いつも痺れていました。行動や態度をもってそれぞれのすきなメンバーさんをひたむきに応援する姿勢は尊敬しかないし、恵比寿のスタンド花も最高にかっこよかった!ありがとう!

というわけで、雑感や過去の記事などは追々またアップしますが、一応これでブレメスのライブレポートはおしまいです。最後はステージに向かってもういちど声をあげたいと思います。

ありがとーーーっ!!ブレメスありがとーーーっ!!

セットリスト

1.barbarism
2.蝋涙に死す。
3.MIRROR MIRROR
4.Freak Show
5.blind Circus.

ENCOLE 1
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ENCOLE 2
PERSONA
ENCOLE 3
MIRROR MIRROR

公演情報

DNL presents 『 池袋VorteX 3 』
2018.10.18 [Thu] 池袋EDGE.
BLESS THIS MESS/ジグソウ./DARIAN MARIAN/CHOKE/外道反逆者ヤミテラ/仮病/MYUI
開場 : 16:00/ 開演 : 16:30.