good night dear

ライブの感想など

20180605/BLESS THIS MESS@高田馬場AREA


BLESS THIS MESSのツーステージ、後半戦。池袋RUIDO K3を出たあと、次の舞台がある高田馬場AREAへと向かいました。

ルイードの攻撃的なライブとはまた違い、エリアはもう開演から閉幕まで、どこをどう切り取ってもクライマックス。あまりにもレアすぎるパフォーマンスを体験して、文字どおり狂喜乱舞なのでした。

そう、体育の授業では「生涯戦力外名誉選手」のタイトルをひとりじめしてきたわたしでも、ブレメスのおかげで「真上に飛ぶ」「横に揺れる」「グーパンチを突き上げる」能力が、めきめきと高まってきています。これはもう……あつい静止をふりきっての球界進出、待ったなし、やもしれません……。

というわけで、またまた筆圧つよめの感想です。

対バンの印象

マーブル

とってもひさしぶりに拝見したのですが、コンセプトやストーリー性などのシアトリカルな要素で魅せていく演者さんでした。壇上から演説をとなえるようなMCだったり、『ピグマリオンスピーチ』ではお客さんたちが一糸乱れぬうごきで敬礼めいた振りつけをしたりと、世界観ができあがっていてすごかったです。

電気茶道部

ヴィジュアル系初!の茶道部だそうです。ボーカルの山田さんは、今はなき池袋のライブハウス「鈴ん小屋」さんのアコースティックイベントでお見かけしたことがあるのですが、ユニットだとまったく印象が違っていて、びっくり。X JAPANの『Rusty Nail』を彷彿とさせる曲があったかも?

ジグラット

二度目ましてのジグラットさん。どこまでも鬱々としたメロディーに巻き舌気味のボーカル、なんだかとっても懐かしい雰囲気があります。ドラムの機材トラブルが起きたときにボーカルさんがぽつぽつと言葉を紡いでいらっしゃったのですが、湿り気を帯びた空気感がまた良い味になっていました。転換中にながれていた曲がとっても格好よかった。

ライブの様子

SE

トリをつとめるBLESS THIS MESSのSEが流れ、バンドロゴの入った黒地のドロップアウトがステージの奥に姿をあらわします。いよいよ開演です。

この日は事前に立石 恁さん(Gt.)のほうから「せっかくのツーステージなので、当日の装いは2way仕様でいきます」と告知がありました。アイメイクが変わるのかしら、それとも衣装が変わるのかしら、とぼんやり想像をめぐらせていたその矢先、下手の舞台袖からふらりと伸びるギタリストの人影。瞬間、悲鳴ともつかない歓声がフロアを揺らしました。

コールを一身に浴びるのは、いつもは下ろしている前髪をオールバック風に編み込んだ恁さん。そのあまりの華やかさに「じんじんじんじーん!!」「カッコイイー!!」と驚喜の声が鳴りやまないのだけれど、とうの本人はどこ吹く風、足を大きく開いて黙々とギターを構えるのです。この佇まいもまた魅力だとおもいます。

序盤

どよめきがおさまらない中、この日のバンドは哀切なバラードソング『Lunar Regret』から始まりました。今にも壊れてしまいそうなもの悲しい音色の上で、スカルメイクでばっちりキメた柳さん(Vo.)が、艶のある低音を落とします。最初は儚く、演奏がすすむにつれて情感ゆたかに歌い上げる圧倒的な存在感に、会場はじっと聞き入りました。

もちろん歌だけではなく、演奏もすばらしいのです。楽器がどうとか音色がどうとか専門的なことはまったく分からないのですが、とにかくこのステージでは、表現者としての力に魅せられっぱなしの時間でした。

たとえば「帰れなくなってもいい、体力全部ステージに置いてきます」と語っていたRegaさんの、初期衝動を全身全霊でステージにぶつけるアグレッシブなベース。恁さんがのけぞるように髪を振り乱したときの、しなやかに半弧を描く真っ赤な毛先。それらひとつひとつが、緊張感と衝撃をもって何度も何度も心にせまってきます。

とりわけ、ギターソロからの流れは圧巻です。大きく脚を開いてかなり低めにギターを構えるすがたには、神々しいほどの色気があふれています。「ギターからぴょこんと生えている銀の棒(お名前がわからない)」で小刻みに弦を搔きならし、ためこんだ感情を切り裂くような歪みの音色を、これでもかと叩き込むその……もう言葉にならないのですけれど、とにかく最高の演奏。最高の音。最高のメロディー。

そのうえ終盤ではさっきまで本能のままに暴れまわっていたRegaさんが、その場に崩れ落ちるかのように両膝を床につき、放心した表情を浮かべるのです。あまりにもその一瞬がすごすぎて……、ブレメスのベーシストとかバンドマンのRegaさんとか、そういう枠組みをすべて超えて心を打たれました。

そしてそんなふたりの中央に立つ、柳さんの歌声。『Lunar Regret』はこの日はじめて生で聴けたのだけれど、CDやMVをはるかに上回る説得力に鳥肌がとまりませんでした。アナログな手ざわりの熱は、これぞブレメスの真髄、と言い切ってしまいたいくらい。本当に本当に、すごかった。ああ、またどこかのステージでじっくりバラードを聴きたいなあ。ブレメスを知らないお客さんたちにも聴いてほしいなあ。

こうした三人が、同じステージのうえで同じ時間に交錯していることがおそろしく、なにか群像劇のワンシーンを観ている心地にすらなりました。全編クライマックスのようなライブのなかでも、とくに忘れられない場面です。

中盤

感無量でみまもるオーディエンスの前に、今度はおなじみの定番曲『old【new】order』が響きます。足元一面に青いひかりの宇宙が広がっていくような開放感が、とってもきもちいい。

きらきらした音の粒が降りそそぐなか、恁さんとRegaさんは跳ねるようなステップを踏んでいます。そのまんなかに立つ柳さんは両手をおおきく広げて片足でリズムをきざみ、リスナーさんたちは「もう一度!」と人差し指を高くつきあげる。だけど、今日と同じ瞬間はもう二度とめぐって来ない……なんて眩しくて、しあわせな光景なんでしょう。

やがてMCの時間がとられます。昼間の池袋RUIDO K3はどこか敵陣に乗り込むような雰囲気でしたが、エリアはなんだか実家のような安心感。マイクを握る柳さんはそうそうに告知を切り上げ「そんな事より、恁くんのこの新しい髪型どうよ?ちょっとこれは敢えて触れていくけど、どうなの?この恁くん!」と、しかしいつもどおりマイペースによそを向いている恁さんを、手のひらで指し示します。

オーディエンスがメロイックサインや拳を突きあげてそれに応えると「さっき楽屋で初めて見たんだけど、まさかこんな風になってるなんて知らなかった」と裏話がなされ、なごやかな笑いが起きました。

終盤

それからバンドは新曲『MIRROR MIRROR』を届けます。これまではなかなか曲のきっかけをつかめなかったのだけれど、MVでしっかり予習できた今回は、きもちよく音の波をつかまえることができました。聴けば聴くほど好きになる曲だとしみじみ。

耳に間違いがなければ「Under myself……」と聴こえるパートでは、オーディエンスが一斉にからだを折りたたみます。重く粘り気のあるグルーヴ、地の底から迫りくるベースの音圧、煽情的な鋭いシャウト。もうもうもう、格好いいなあ。どうしてこんなに格好いいんだろう?

ずっしりと骨太なのだけれど泥臭くは転ばず、むしろどこか洒落たクールな温度感がたまりません。柳さんと恁さんとRegaさん、そしてステージのサポートをつとめるHakuyaさん(Dr.)だからこそ描き出せる高純度な高揚感に、からだの熱は増すばかり。

新章ブレメスを象徴するような疾走感を保ったまま、最後はのこりの体力を完全に絞りきる『barbarism』でいっきに畳み掛けます。曲終わりで後ろ向きにジャンプした柳さんがそのままステージに倒れ込むと、その拍子にスマイル全開なHakuyaさんがドラムの奥から顔をのぞかせ、最後は一斉にキメのジャンプ。長い長い一日に、ようやく幕が降りました。

ツーステージをふりかえってみると、初期の楽曲から最近の楽曲をひとつひとつ辿っていくような、今回のセットリスト。過去ごと包み込み、ファンと共にこれからを歩むバンドの現在形が映し出されていて、なんだかじーんときちゃいました。エリアのブレメスだいすき。ブレメスのエリアだいすき。

メンバーさんもファンのみなさんも、ありがとうございました。またぜひぜひ。

セットリスト

  1. Lunar Regret
  2. old【new】order
  3. MIRROR MIRROR
  4. barbarism

公演情報

Takadanobaba AREA presents~AREA 21st Anniversary~
BLESS THIS MESS / リジェーヌ / 電気茶道部 / マーブル / ジグラット / ALA-EVE / NECLOS

20180605/BLESS THIS MESS@池袋RUIDO K3


ちょこちょことライブへおじゃまするようになってから、なんだか肩周りがしっかりしてきたような気がします。もしかしてもしかすると、今なら球速140キロくらい出せてしまうかもしれない。スポーツテストのボール投げはいつも飛距離2メートルを越えなかったけれど、パワーアップした今のわたしなら……。

というわけで、またまたBLESS THIS MESSの出演するライブへ行ってきました。この日はブレメスにとって初の試みとなった、昼夜ツーステージ。まったく異なるイベントへの出演だったのですが、なんだか二部構成のような、とっても贅沢なステージでした。

まずは池袋RUIDO K3の感想です。

対バンの印象

DAV

道化師めいた笑顔の覆面を使ったシアトリカルな演出で、フロアは何度となく「あはははは!ヤバい、ウケる!」とにぎやかな声があふれていました。だけどそうして笑うオーディエンスを笑っているような……なにか、静かな毒気をたたえている演者さんに感じられて、ちょっとドキッとしてしまいました。「見る側」と「見られる側」の一方的な関係性が通用しないというか。二曲のみの演奏を終えるとそうそうにステージを退出していて、フロアには「もう終わり?もう終わり?」と余韻だけが残っていました。

Ronovell

二度目ましてのバンドさん。黒いフードを目深に被った装いだったので最初はお顔が分からなかったのですが、ボーカルさんがハイトーンの咆哮をあげた瞬間、ああっ、ドラムの方が骨折していたところの……!と気づきました。エリアでご一緒したファンの方がとっても感じの良いおねえさんで、応援する姿勢が素敵だったのですよね。それで、最前列へおじゃましちゃった。お腹にずしんと来るのにメロディーが綺麗な一曲目が、すごく格好良かったです。

最後のXOXOを君と

パリピ系バンド」がコンセプトとのことで、ハンドクラップや扇子で踊れるポップなパーティーチューンが印象的でした。ただそれよりも、ベースさん失踪の衝撃がつよくって。機材や衣装がたりない状態でステージに上がる気持ちをおもうと、言葉がなくなっちゃいますね。頑張ってくださいと声をかけるのは無責任かもしれないけれど、応援したくなるバンドさんでした。

ライブの様子

序盤

バンドネームを唱えるSEが流れるなか、サポートをつとめるHakuyaさん(Dr.)、立石 恁さん(Gt.)、Regaさん(Ba.)、柳さん(Vo.)が続々とステージへ足を踏み入れます。前置きはいらないとばかりに各々が楽器を構えると、攻撃的な『barbarism』がスタート。最前列との間をしきる柵に演者みずから足をかけ、限界までフロアに身を乗り出して熱いプレイを繰り出しました。

この日は2番手とかなり早い出番ながら、なにか「全員で首を取りに行くぞ」と挑戦状を叩き付けるような熱量がたっぷり。ほとばしるエネルギーを受けると、オーディエンスもまた全力のレスポンスを返します。ライブはのっけから、想像以上の熱気です。

「ブレメスです!よろしくお願いします!」そう告げて存在を示したかと思えば、咆哮にも似た声で「頭!!」「いいぞ!やれやれ!!」と煽る柳さん。

このライブはいつもの二割増しで攻撃的なスタイルだったのですが、普段のステージを思い返してみても、柳さんのマイクパフォーマンスはどんどん変わっていっていると感じます。こちらが欲しいタイミングで「俺に合わせて!」「折りたため!」とフロアを誘い込んだり、声のトーンを落として寄り添うように語り掛けたり。ステージとフロアの境目がわからなくなるほど一体感を味わえるのがうれしいです。

中盤

続けてバンドが叩き込んだのは、俗世間へのアンチテーゼを謳った『Mr, Human Error』。長らくセットリストに入って来なかった初期の楽曲にわっと歓声が上がります。わたしに関してはほとんど一年ぶりだったので、思わず「わあ、なつかしい!」とこころの声が口をついて出てしまいました。また、メンバーチェンジ後の演奏を聴くのもこの日が初めてだったのです。

「愛想笑いばかり覚えた、感情のないニュースキャスター」皮肉めいた歌声のその後ろでは、いつの間にか歩み寄ったRegaさんと恁さんが至近距離で向き合って、「ニュースキャスター!」と指をさしあいます。うーん、とってもすてき!あの演出はどなたのアイデアなんだろう?寸劇とまではいかないけれど最近のブレメスは大人の遊び心が満載で、おもわずメロイックサインを返してしまいました。

しっかりとフレーズを押さえながらも、ステージングの自由度は加速を増すばかり。ときにはベースを頭上に大きく掲げ、フロアに背中を向けて踊り、マイクコードをくるくると弄び、一秒たりとも目の離せない展開にどんどん引き込まれていきました。面白いのは、恁さんとRegaさんが上手と下手でパフォーマンスをしていると、柳さんも格好良くみえるのですよね。その反対もしかりで、それぞれの個性がお互いの魅力を高めあっているようにかんじました。

そしてそして、曲の後半にあるギターソロ。軽快ながらどこか郷愁のただよう音色が、これでもかと胸に迫ってきます。収録アルバムの『Hymn』で聴く音色とはまったく違う魅力があって、ああ恁さんが弦を爪弾くと『Mr, Human Error』はこうなるんだ……と、人知れず胸を打ちふるわせた瞬間でした。大好きなパート、大好きな音です。

終盤

「ブレス・ディス・メスです!こんにちは、ブレメスです!」

柳さんのMCに入り、ようやくメンバーさんたちのルックスをしっかり見る余裕が生まれました。すごい!もう、もう本当に……本当に、回を重ねるごとにどんどんブラッシュアップされていっています。

とくにRegaさんがかなり体を絞っているのには、びっくりしました。一週間前のホリデー新宿のときにもそのヴィジュアルの変化に驚いたけれど、またさらに磨きがかかっていて。柳さんはティム・バートン監督の作品に出てきそうなリップメイクがもっと素敵になっているし、恁さんは、恁さんはツーステージ目で開幕そうそう地球破壊爆弾を放って、高田馬場を焼け野原にしていたし。

わたしは「ブレメスさんは甘口・中辛・辛口とそろっていますね」と何ひとつうまくない感想を二度にわたって公式へ送り付けたことのある前科持ちなのですけれど、やっぱりここでも、バンドとしてのバランスの良さを語らずにはいられません。四時間ほどルイードに滞在したあいだに、もう何度メンバーさんたちへの「ヤバい、かっこよすぎる」「全員かっこよすぎて選べない」を聞いたかわからないもの。ちょっと、今までに感じたことのない空気感でした。

そんな狂騒のラストを飾ったのは『16』です。これもまた初期の楽曲で、一気に加速する曲調にリスナーさんたちは大盛り上がり。ざくざく刻むような凶暴なベースとドラム、そこに乗っかる妖しげなギター、もうとってもとってもきもちいい。

興奮をおさえきえないフロアに向かって柳さんが「16を数える前に、16の罪を懺悔しろ!」と挑発的に歌うと、続けざま「死んでみろ!」と畳みかけます。それをきっかけに超高速のヘッドバンギングが巻き起こり、ボルテージは最高潮。むせかえるような熱気を残して、ステージの幕が下りました。

セットリストは3曲と少なめですが、それをはるかに上回る満足感。披露された全曲がファーストミニアルバムの収録曲で、とっても贅沢な時間を過ごすことができました。レーベルメイトのUNDER FALL JUSTICEさんとScarlet Valseさんを拝見できなかったのはちょっぴり残念だったけれど、ブレメスを応援するべく、高田馬場AREAへ向かったのでした。

セットリスト

  1. barbarism
  2. Mr, Human Error
  3. 16

公演情報

[Dark Ambition Exposed vol.77 〜Scarlet Valse Raizo birthday Special〜]
SAVAGE(ゲスト) / Scarlet Valse / UNDER FALL JUSTICE / KRAD / 最後のXOXOを君と / Ronovell / ℃ellsius / CRISIS / DAV / BLESS THIS MESS

20180529/BLESS THIS MESS@HOLIDAY SHINJUKU


BLESS THIS MESSのステージを観るべく、新宿は歌舞伎町のライブハウス「HOLIDAY SHINJUKU」へおじゃましてきました。この日の前日にあたる5月28日は、ブレメス結成3周年のお誕生日。それと同時に、立ち上げメンバーの脱退から、まる1年が経った日でもあります。

解散や脱退はバンドに付き物だとわかっているけれど、終わりをむかえるときはやっぱり悲しい。柳さん(Vo.)と蘭丸さん(Gt.)と駁さん(Ba.)の三人組で成り立っていたブレメスが、なんらかの事情で柳さんひとりの活動になったときも、なるべくいたずらに暇を作らないようにしていました。

だけど今となっては、メンバーさん自身の手で脱退の選択を下してもらえた優しさを、ひしひしと感じるばかりです。去年からアヴィーチーリンキン・パークをかなしい形で失って、なおのことそう感じます。それに、誰かとの別れが寂しくなる人生は、寂しくないなとも思えました。

その上で今のブレメスが織りなす音楽が大好きで、とことん寂しくなってやるぞという気持ちなのです。BLESS THIS MESS、3周年おめでとうございます。新章ブレメス、いつもありがとうございます。

というわけで、ライブの感想です。

対バンの印象

Sclaim

この日の前バンドは、名古屋・東京ツーデイズ敢行中のSclaim(スクレイム)。
去年の秋に「LUNA SEA限定Session Night@目黒 LIVE STATION」でいちど拝見しているバンドさんです。

当時はルナシーを意識したダークな衣装だったけれど、この日はあたまからつま先までとってもカラフル。極彩色がステージにそろった瞬間、黄色い歓声がわっと湧きあがっていました。

「スクレイムはやばいよ。素人が安易に手を出すと、眩しすぎて死ぬよ」
ファンの方からそうお聞きしていたのですが、これには深くうなずくばかり。ボーカルさんの透き通った歌声とメロディアスな演奏、フロアを彩るフラッシュリングの海。あまりのきらびやかさに何度も「おろろ」と痙攣しながら、東尋坊へ行きかけました。ちょっと刺激がつよかったみたい。

なんて言いながらも右へ左へのモッシュにすっかり感化され、見よう見まねで飛びはねると、これがとってもたのしいのです。たしか、二曲目に披露された『Celestial Sphere』だったかな?宇宙をただよう雰囲気を堪能させていただきました。

ライブの様子

序盤

ふっと会場が暗転し、布のすべる音をのこして黒幕が引かれます。オープニングSEと共にサポートを務めるHakuyaさん(Dr.)があらわれ、立石 恁さん(Gt.)とRegaさん(Ba.)が入場。その最後に口裂け男めいたメイクの柳さん(Vo.)がゆっくりと歩いてきました。

「やなぎやなぎやなぎー!!」
「じんじんじんじんー!!」
「れがれがれがれがー!!」

メンバーそれぞれの名前を呼ぶ歓声にむかえられるなか、しかし誰ひとり笑顔を浮かべることはなく、うつむきがちに楽器を構えます。そうして柳さんが真横いっぱいに裂けた口を開くと同時、新曲『MIRROR MIRROR』がスタート。

わたしはまだこの曲のきっかけを掴めておらず、最初はおろおろ。だけれど最初の英語シャウトでリスナーさんたちが一斉に逆ダイをする瞬間、音のうずに飛び込めるのですよね。

そこからあとはもう、駆ける旋律に振り落とされないよう全身で追いかけて、こぶしを突き上げるばかり。心臓がどきどきして息苦しいのに不思議と笑みのこぼれる、その流れがもう本当にたのしくって。

躍動的な演奏と目まぐるしく展開するメロディー、ときどき視界の縁をかすめるリスナーさんたちの笑顔。そのすべてが心地よく、ずっと頬がゆるみっぱなしになってしまいます。

モヒカン頭にトゲ付き肩パッドで火炎放射器、そんな自分でもニコニコほがらか笑顔になれるので、音楽のちからはすごいです。

そうそう、二番のどこかにとっても没入感の高いメロディーがありました。ドラマチックと言えばよいのか、なにか無性に泣きそうになって……すこし下を向いてしまったり。一体どこに反応したのかはわからず、記憶を手繰り寄せようとしても、なんにも思い出せません。ただただ心を引っかかれたような余韻だけが、胸にのこっています。

ああ、やっぱりはやく、フルバージョンのMVを観たいなあ。しっかり聴きこんでライブにのぞめたら、もっとたのしいもの。

中盤

前回の「新章ブレメス」おひろめ以降、ステージングの熱量がいっきに増したと感じています。

この日の恁さんは寡黙な佇まいながらも、喜怒哀楽のすべてを指先に預けるかのようなギタープレイを叩き付けていました。それとは対照的にベースのRegaさんはオーディエンスに向かって吠え、ステージの前方ぎりぎりにしゃがみこんで弦をかき鳴らす一幕も。

かと思えば、曲間のMCでは柳さんが声のトーンを落とし、「今日はじめて観るひとたちも、いつも来てくれるひとたちも、ありがとう」とフロアの顔に視線を点々と置きながら語り掛けます。その緩急の差に、目も耳も離すことができませんでした。

個人的には「ブレス・ディス・メスです!」とバンドネームがはっきり聞き取れるのも、うれしい瞬間です。

7月3日の無料ワンマンの告知を簡潔にはなした柳さんは、「ワンマンまであと二回しかないんだよ。だから今日、最高にかっこいいバンドでいないとさ」と言い放ちます。それからバンドは、アルバム『Xiall Rain』の収録曲『old 【new】order』をプレイ。開放感あふれるシンセサウンドと生音に合わせて、伸びやかな歌声がひびきました。

終盤

ラストは『barbarism』へとなだれ込み、「俺に合わせて!」の煽動をきっかけに、無数の拳が突き上がります。ここ最近は『醜滅醜焉』が最後にくることが多かったので、とってもびっくり。ひさしぶりに生で聴くと、無駄を削ぎ落としたシンプルな格好良さにしびれてしまいますね。とくにイントロの……こう……デッ!デッ!デッ!ヅングヅクヅグ!うーん、うまく例えられないけれど、野性味あふれる音がたまりません。

かたやRegaさんは大粒の汗を散らして暴れ倒していたかと思うと、とつぜん下手のステージ前方ぎりぎりにあるモニター?へ横向きに腰かけ、演奏を中断。肩でおおきく息をつくやいなや「あついー……」と唇を動かしているのが印象的でした。

そして何より最近は、回を重ねるごとに増す加速度にびっくりします。本当に!それはヘアメイクの変化ひとつとっても、ぜんぜん違うのですよね。とくに今回は照明の強い光に負けない濃い目のお化粧になっていて、オープニングではその舞台映えぶりに「あっ」と、ちいさく声を上げてしまいました。

とっても、とっても、たのしかった。無料ワンマンへの期待値が否応なしに高まって、この日のステージは幕を閉じました。

セットリスト

  1. MIRROR MIRROR
  2. Freak Show
  3. old 【new】order
  4. barbarism

公演情報

2018/05/29 (火) @HOLIDAY SHINJUKU [Dark Ambition Exposed vol.76]
Starwave Records presents
OPEN / START
OPEN 15:00 / START 15:30 前売 3,500円 / 当日4,000円 (※D代別)
CAST
BLESS THIS MESS / 怪人二十面奏(ゲスト) / FIXER / Scarlet Valse / DIEALO / SIRENE / Sclaim /glamscure

20180510/BLESS THIS MESS@高田馬場AREA

 
BLESS THIS MESSのライブへ行ってきました。この日は新曲を引っさげての「新章ブレメス」初公開。対バン形式のトリだったのですが、ワンマンライブと錯覚するばかりの熱量があって、とってもたのしかったです。大満足。

というわけで、当日の感想を書いてみました。

SE

勢いよく引かれた黒カーテンの奥から、うっすらと白くけぶったステージが現れます。

「やなぎやなぎやなぎー!!」
「じんじんじんじんー!!」
「れがれがれがー!!」

ネームコールを一身に浴びるのは、新衣装を纏ったブレメスメンバー。真っ白なドレスシャツに暗色のジャケットを羽織ったボーカルの柳さんは、黒く塗ったくちびるに笑みをたたえながらゆっくりと客席を見渡します。

今日はどんな曲からスタートなんだろう?
なんて悠長にかんがえていた次の瞬間、メロディーが響き渡りました。

MIRROR MIRROR

なんと一曲目はまさかの新曲『MIRROR MIRROR』、それもサビ始まり。えっ……!と意表をつかれている間にも、疾走感にあふれた曲はどんどん先へ先へと進んでいきます。すっかり出遅れてしまいました。

曲調自体はハードなのだけれど、どことなく哀愁が漂っているところがたまりません。「幸福はいつでも見えなくて」の歌声と物哀しいギターの音が絡み合ったときなどは、よろめいてしまいました。

ポロロン……ポロロン……のあとにジャンジャカジャカジャカがあって、またポロロン。そのポロジャンポロにどうしようもなく気持ちを揺さぶられて……と、語彙力をほうむりながらひとりごちてしまうのですよね。

柳さんの歌い方は『PERSONA』や『old 【new】order』に似ているかも?『醜滅醜焉』『悲恋蜉蝣』よりも癖がすくなくてフラットなかんじ。またちがった表現を味わうことができて、うれしいです。

とにかく今は、はやくフルバージョンのMVを観たいなあ。気になる、気になる。その一言につきます。

old【new】order

粋なウォーミングアップを終えたところで流れてきたのは、気持ちよくからだを揺らせる『old 【new】order』。開放感あふれる曲調のなかに「おなじ瞬間は二度とやって来ない、いつか必ず別れの日がくる」みたいな切なさがあって、胸がきゅっと締め付けられます。

シンセサウンドたっぷりのイントロでは、メンバーさんとフロアが一斉にジャンプして地球を離れるのだけれど、もうその瞬間からエモなのですよね……。サビで腕を大きく振るのもエモ。「雪解け過ぎてたかも 春になっても芽吹けない」の歌声がエモ。清少納言さんだってきっとこう書き出すはず。「春はあけぼの、オールドはエモ」。

オールドは本当にだいすきな曲なので、どうしても筆圧がつよくなってしまいますね。ここまで書き上げるのに、えんぴつを4本折ってしまいました。

とりわけ印象的だったのは、上手に立つ恁さんがゴキゲンなステップを踏んでいたことです。
ドラムンベースステップみたいな……、サッカーボールを足の甲やかかとで跳ね上げるときのような……なかなか活字じゃ伝えきれないのだけれど、もうとにかくたのしくって。

そのうえふと視線を横へすべらせたら、ああっ、下手は下手でレガステップが生まれているのですよ。その流れの鮮やかさたるや、守るブレメス、5-4-3のダブルプレー。あれが定番のステージングなのか分からないのだけれど、はじめて観たわたしは快楽中枢をびしばし撃たれました。

Freak Show

先ほどの雰囲気とは一転、お次はラップを取り入れた『Freak Show』。事務所へ所属する前からよくセトリに入っていたので、からだにも心にもすっかりなじんでいる曲です。

「ターンターンターンターン、デデンデデンデデン!」のイントロを聴くと、それだけでパブロフの犬みたいに反応してしまいます。思い入れのある曲を、メンバーチェンジを経た今のブレメスでも聴けることは、素直にうれしいです。

オー……オー……と地の底からかすかに響いてくるような声、そして最初のシャウトのあとにゆっくりと迫ってくる重低音(0:44〜)がたまらなく好きで。真っ赤なライトに染まるステージの上に、山羊頭の巨大なバフォメットの幻影を見てしまいます。

絶対的な力への畏怖、だけどふしぎと心の拠り所にしたくなる……柳さんのメロディーには、ときどきそうした宗教的なニュアンスをかんじます。だからお酒をいただかなくとも、このパートにただよう享楽的な空気だけでほろ酔いになれるのですよね。

ベースのレガさんは、いちばん活動量が多いんじゃないかしらと思うくらい、縦横無尽にステージを動き回っていました。竿を武器みたいに振り下ろしたり、みずから回転したり。

と同時に、いつも絶妙なタイミングでフロアに視線を向けて、ハンドクラップやジャンプの合図をおくってくださいます。このわかりやすさが、すごくすごくありがたいです。

MC

MCに入ると柳さんが「名前ちょうだい!」とリクエスト。ふたたびフロアには、柵から身を乗り出しての熱いコールが沸き起こりました。

この日集まったファンへ「来てくれてありがとう」と気持ちを伝え、そこから2ヶ月後にひかえた『60分限定無料ワンマン blind Circus』への告知へとつなぎます。

「今日ワンマンだと思っていいよ」
「もっと前来いよ!」

その声をきっかけに、後ろのお客さんがだーっと最前列へ飛び込んでいったのは、多幸感で胸がいっぱいになりました。またステージを見上げる横顔が、ものすごく綺麗なのですよ。瞳がガラス玉みたいにきらきらしているのです。

そうした臨場感って、短く切り取られたライブ映像じゃ決して味わえないから……なにか自分は、こういう一瞬を感じたいがためにチケットを買っているのだとすら思えてきます。

柳さんは「いま目の前にいる人たち」の顔をひとつひとつ見て、語りかけているように感じられました。そんな声のトーンと自分の耳との距離感がここちよかったです。

醜滅醜焉

ラストをかざるのは『醜滅醜焉』、ヘドバンと折り畳みを交互にくりかえす暴れ曲です。万年三等兵のわたしはすっかりへとへとであんまり記憶がないのですが、Hakuyaさんのドラムがすごく気持ちよかったのを覚えています。ぴたっと音が止まるというか。

ふと思い出されるのは、ステージ中央で熱唱する柳さんが、たまらず恁さんの髪の毛をぐしゃぐしゃにかき混ぜる一幕です。されるがままの末に二、三度あたまを振る恁さんと、自分も混ぜろよと言わんばかり、満面の笑みを浮かべて下手から寄ってくるレガさん。

ちいさなお立ち台にぎゅっとスリーピースが集まるその光景には、今日はツアーファイナルだったかな?なんて錯覚してしまいました。バンドの充実したムードが伝わってくる、忘れられない瞬間です。

ああ、本当にたのしかった。たのしかった……たのしかった。とってもとっても、ワクテカした。おっと、ついついネット用語が。拙者これではまるでオタクみたい。
なんておふざけはさておき、だいすきな曲のだいすきな音と歌声に生で触れられるのは、夢のようでした。

出順がトリだったこともあるのでしょうけれど、ワンマンのような夜。胸の熱くなる余韻をのこして、この日のライブは幕を閉じました。

セットリスト

MIRROR MIRROR
old 【new】order
Freak Show
醜滅醜焉

公演情報

Takadanobaba AREA presents
"TOY'S IN THE ATTIC"
OPEN:16:30 START:17:00
前売 ¥3,000 当日 ¥3,500
出演:BLESS THIS MESS、吉田カナミ、HuV、ジグラット、ЯeVELLION GЯIEF、Ronovell