good night dear

sleep like a baby

20180807/BLESS THIS MESS@池袋EDGE

はじめに

(出典:E.T OFFICIAL)
心待ちにしていたE.T主催のライブ『NEO SPIRITUAL CIRCLE VOl.3』へ行ってきました。あんまり音楽のジャンルにくわしくはないのですが、ロックやラウド系、メタルコア色の強いイベントだったようにおもいます。黒づくめの男性客もちらほら。

この日はBLESS THIS MESSの動員で入ったのですが、どのバンドさんも自分たちの体から放つ熱量だけを武器に戦っているかんじがして、そのストイックさにすっかり心を奪われてしまいました。

開演の17時から終演22時まで、約5時間のロングイベント。事前にタイムテーブルが公開されていたことや、1バンドにつき約30分もの持ち時間があったことも含め、とにかく「行ってよかった!」の一言なのです。

というわけで、各バンドさんの試聴動画を引用しながら、この日の模様を筆圧つよめにふりかえってみます。

対バンの印象

the deadly school

youtu.be
「池袋エッジ、行けますかー!」とイベントのトッパーを務めたのは、ex-RAINDIAのmiyoshiさん(Vo.)によるソロプロジェクト、the deadly schoolさん。

ステージを覆う真っ黒な幕が引かれると、目にあざやかな緑色の髪のmiyoshiさんが、サルエルからのびる裸足で舞台に立つと、胸の前で手のひらを合わせて一礼します。

シンセサウンドを取り入れた同期音楽と歌声が絡みあうなか、星柄の模様を透かしたライトがフロア全体に降りそそぎ、たちまち別世界になります。かと思えばとつぜんふっと明かりが落ちて空襲みたいなサイレンが鳴り響き、胸をざわつかせる場面もありました。

「幸せってなんですか」「人間ってなんですか」「幸せって何なんですか」とくりかえし訴えかけるmiyoshiさん。ライブというよりは、音とひかりと身体表現によるアートを観ているような心地になれました。

THE ENDEMIC OAK

youtu.be
続いて登場したのは黒の革ジャンやダメージスキニーに身を包んだTHE ENDEMIC OAK、通称エンデミさん。
事前に観ていた『RAY OF LIGHT』のリリックビデオがとっても好みでした。ついつい「このセカイは光に満ちている」と口ずさんでしまうキャッチーなメロディーも良いし、最初のサビが終わったあとにバンドロゴが上から落ちてくる演出がツボなのです。

Haruhitoさん(Vo.)がしゃがれ気味のハイトーンを叩き付けると、楽器隊のみなさんも変則的な演奏で続きます。誰もかれもが汗だくになって思いの丈をぶちまけ、ロックチューンを次から次へと畳みかける、ものすごく熱いバンドさんでした。リスナーさん達も夏らしい浴衣姿なのに頭をぶんぶん振り回していて、しびれちゃいます。

それからMCでは、伽羅さん(Ba.)が「誰ひとりコミュ力がないこのバンドが、唯一話せるだいすきなバンド!」といったニュアンスのトークで場をE.Tさんを紹介します。自虐めいた言葉で冗談めかしながらも最大限の敬意を払っていらっしゃる姿勢が、とてもすてきでした。

もっと言えば、この日の出演者さんたちはみなさんそうだったんですよね。ステージが移るたびに「呼んでくれてありがとう!」「E.Tまで繋ごうぜ!」とフロアを引っ張りあげていて、その心意気やバンドさん同士の関係性にぐっと来ました。

ああ、たのしかった。メンバーさんたちの顎下から落ちた大粒の汗が、首筋を流れて喉のくぼみにたまっていくのが見えるたび、その本気の熱量に感化され、自然と笑顔になって拳をつきあげてしまいます。

WE'RE ALL UNDER THE SAME SKY

WE'RE ALL UNDER THE SAME SKY

  • THE ENDEMIC OAK
  • ロック
  • ¥250
この曲もかっこよかった。
フォント&ロゴフェチとしてはぜひぜひジャケット盤を買いたいな。そう思わせてくれる吸引力をかんじました。

Lament.

youtu.be
四番手として登場したのはLament.さん。
どなたかのアルバムレビューで「名古屋系の系譜をひく古き良きバンド」と紹介されていて、気になっていた演者さんです。この日の顔ぶれのなかで、知識の浅いわたしが知っている「ヴィジュアル系」にいちばん近い雰囲気でした。

他のバンドさんが激しく吠えたり攻撃的なヘッドバンギングをしたり、という雰囲気のなかで、Lament.さんはどこか退廃的な美学を感じさせるたたずまい。

たとえばヴィジュアル面では、白塗りの肌に前髪をそろえた金髪だったり、つばの広い女優帽と長い黒髪だったり、少しウェーブがかった黒髪と腰下まで覆う真っ白なシャツだったり。マイクスタンドには蔓草がぐるぐる巻かれているのですよ。

そして音楽面では、強烈に哀愁を誘うメロディーと悠歌-youka-さん(Vo.)の深みのある声が絡み合い、聴き手のからだを貫きます。ときにはマイクオフで叫んだり髪を振り乱す場面もあったのですが、「わいわい盛り上がる」や「汗をかいて暴れる」楽しみ方とはまた違った、音楽に浸ることの喜びを提示してくださるステージのように感じました。

最後に披露された『つがいの残響』のCDがほしかったのだけれど、まだ発売前なのでした。

LANTANA

youtu.be
最前列の柵にかかったマフラータオルのお洒落さに「あらっ……がっごい゛い゛」と藤原竜也さんのお芝居めいた声を漏らしていると、黒地のバンドTシャツで揃えたLANTANAさんが登場しました。凶悪な、と書くと語弊があるかもしれませんが、攻撃的なヴィジュアルのバンドさん。一曲目からステージを破壊せんばかりの勢いで爆音を轟かせます。

Lament.さんが作り上げた虚無の世界を、すべて音で塗り替えていくようなステージング。二曲目か三曲目の入りでは啓太さん(Dr.)のドラムの合図が一向に始まらず、朋さん(Vo.)が客席を見据えたまま「おいおい、どうした?大丈夫か?」と笑い混じりの声を落とします。思わぬアクシデントが起きても動じる様子はなく、頼もしい雰囲気でした。

そしてそこからはピエロメイクに赤チェックのボンデージパンツで決めた榛葉さん(Ba.)が軽快なトークで繋ぐのです。「ドラムトラブルてーきーな?このままだと一曲少なくなっちゃう、みーたーいーなっ?」と女子高生みたいな口調がフロアの笑いを誘っていて、すごく和やかな雰囲気でした。

「せっかく外が気を利かせて涼しくしてくれてるんだから、ここはE.Tがぶっ倒れるくらい熱くしようぜ」「今日俺たちのライブを観て楽しいと思ったら、何も考えなくていいから、もう一歩だけ前に来い!」
雨模様の天気とかけて、客席を盛り上げる朋さん。そのぐっと手を引っ張られる感じもまた、心地よさを感じました。

いったんライブが中断しようと、再びステージが始まればその猛攻はとどまるところを知りません。会場の熱気はさらに増し、タオル回しや拳を回しながらのヘッドバンギングで埋め尽くされます。ステージとリスナーさんたちが生み出す爆発的な熱量に、口が開きっ放しになるくらい圧倒されてしまいました。かっこよかった!

そうした熱狂のなかで「個人的に思い入れがある曲」と紹介された『泡沫』は、大切なものを失ったやりきれなさを綴る、メッセージ性の強いバラードでした。

「あなたは突然、空へ旅立った」と歌う朋さんの眉間に皺を寄せた悲痛な表情や、口元の前にかかげられる指先の震え、そのひとつひとつに見入ってしまいます。前後の曲とのコントラストの強さに、微動だにできなくなってしまいました。

E.T

youtu.be
デジタルフライヤーを見た瞬間、グランジスタイルのフォントや素材のテクスチャーにひとめぼれしたバンドさん。アートワークが好みだと音楽もツボなことが多いのですが、その期待どおり『Still Alive』のMVですっかり心をつかまれていました。

真っ青な照明とステージ上に焚かれたスモークが宇宙的な雰囲気を作り出す中、全身黒色の衣装でそろえたメンバーさんたちがステージ上にあらわれます。

「?W◎Θ▽%……ポゥ!!」と奇声を発していた浩さん(Vo.)が赤いマイクケーブルを鞭のようにしならせると、そのあまりの勢いの良さに吊り照明に引っかかってしまいました。開幕早々のその一瞬だけで、なんだか只者じゃなさそうだと、期待が加速していきます。

浩さんはなかば白目をむきながら小刻みに体を震わせたり、全開の笑顔で「ありがピョー!!ありがピョー!!」と客席に手を振ったり、一星さん(Ba.)と映画『E.T』の指さしポーズをするなど、自由そのものです。

他のメンバーさんたちもベースを立てて弾いたり踊ったり、前につんのめる勢いで跳ねながら演奏したり、サークルモッシュするリスナーさん達をスティックで指したり、アッパーな流れでどんどんフロアを巻き込んでいきます。

かと思えば本編の途中には、バックサスをつかった演出が何度となくありました。薄霧の向こう、逆光に四人のシルエットがぼんやりと浮かび上がる光景が、まぶたの裏に強く焼き付いています。曲としても演出としても、ただ激しいだけではなくて、人の内面のやわらかさ・美しい瞬間に触れられるのもすごく好きでした。

念願の『Still Alive』は目頭が熱くなりました。あと、壁を押すように片手を前に出しながらツーステップを踏む曲も。(追記:『Fortune』という曲みたい)

「猛暑にやられても、酷暑にやられても、ちょっと立ち止まってもいいんだよ。でもまた、歩き出すときがきたら、そのときは一緒に頑張っていきましょう」といったメッセージが放たれた時、ああ今日が終わってほしくないなあという気持ちでいっぱいになってしまって。ブレメスはもちろん前回のステージよりさらに楽しかったのだけれど、このイベントの出演バンドさんが全部楽しかったのですよね。

そして浩さんが真っ赤なマイクケーブルを手持ち無沙汰に持て余したり、勢いよくステージに叩き付ける様子には、なぜだか不思議と、人生を生きることのむずかしさ・もどかしさを連想させられました。はじめて尽くしの音楽体験でしたが、本当にすてきなイベントでした。

というわけで、フルアルバム『DO NOT BELONG TO ANYTHING』を購入。喉の奥に指を突っ込んで「ヴォエッ」と吐いているような曲と、ツーステップを踏む曲と……これもまたはじめて尽くしだから、たくさん聴きます。

ブレメス感想

蝋涙に死す。

youtu.be
バンドネームを唱えるSEと共に登場したのは、黒を基調とした衣装に身を包んだBLESS THIS MESSのメンバー。鳴りやまない歓声を受け止めた四人が最初に投下したのは、先月発売されたばかりのミニアルバム収録曲、『蝋涙に死す。』でした。

蝋涙に死す。

蝋涙に死す。

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥250
真っ赤に染まるフロアへ乗り出す勢いで「裁きをくれ!」「頭振れ!!」と挑発する柳さん(Vo.)に、リスナーは高速ヘッドバンギングで応え、手のひらを高く掲げます。

MIRROR MIRROR

続く『MIRROR MIRROR』では疾走感たっぷりの曲に合わせて熱いOIコールが沸き起こるなど、冷房のきいたライブハウスの気温が一気に上昇していきます。

それから、立石 恁さん(Gt.)が自己紹介代わりの音色をかき鳴らす……はずのギターソロでは、とつぜんふっと音が立ち消えました。ん?といった表情で足元に置いたエフェクターのペダルを踏んだり、スタッフさんが舞台袖から顔を出したりと、なにやらあわただしい様子。

終演後に更新されたツイッターによると、柳さんがギターのケーブルを踏んで電源を切ってしまったとのこと。きっと楽しくなっちゃったんですね!

[blind Circus.]

そんなアクシデントがあっても、生だからこそのスリルとグルーヴに会場の熱気はとどまることを知りません。

blind Circus.

blind Circus.

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥250
すっかり温まった会場に落とされたのは「こっちへ来ないで」と拒絶の言葉からはじまる『[blind Circus.]』。自分の胸元を力強く指し示した柳さんは「僕からいえる唯一は、目で見たものがすべてじゃない」と言い切って、手の甲を外側にむけた人差し指を突き上げます。

どこまでも毒気のあふれる曲は、しかし終盤へ進むにつれ「キミに幸せあれ」とリスナーの明日を祝福するラブソングの顔を覗かせます。柳さんが「声をくれ!!」と焚き付け、たちまちフロアに沸き起こるシンガロング。恁さんもまたコーラスマイクに顔を寄せて「ウォーウォー」と柔らかく掠れた声を重ね、もはや客席とステージの垣根はどこにも見当たりません。

この日のライブはRegaさん(Ba.)の野性的なシャウトも聞こえ、ものすごく熱かったのです。唯一無二なフロントマンの歌声を弦楽器隊が両脇から支えるバンド感によって、音がますます立体的に聴こえるというか。CDとはまた違ったリアルな手触りが今日の対バンの雰囲気にも合っていたし、もっといえば今のブレメスにも合っている気がしました。コーラスのあるバンドさんはとっても最高!

MC

「こんにちは。ブレス……、ディス……、メスです!!」
柳さんが喉元にじっとりと汗を光らせ、浮き出た喉仏を上下させながらバンドネームを口にします。MCでようやくお顔をじっくり見る余裕ができたのですが、くさむらの影から獲物を狙う蛇、のような目をされていました。なんだかオフィシャルアカウントの「アツいバンドさんたちと”音”で勝負したい」という言葉が不意に思い出され、バンドの放つエネルギーに膝の力が抜けてしまいそうでした。

今日のブレメス、かっこよすぎじゃないかな?
ハンドクラップじゃなくて、泡を吹いて倒れるくらいしたほうがいいかな?
とあたまの中を忙しくしていると、柳さんが「俺たちの始まりの曲」と次のナンバーを紹介し、その言葉にわっと歓声がわき起こります。実はこのときわたしは『Answer』という初期の曲を連想したのですが、良い意味でその期待は裏切られました。

Lunar Regret

Lunar Regret

Lunar Regret

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
物悲しいピアノの音色が静寂を切り裂き、月をテーマにした壮大なバラード『Lunar Regret』が会場の隅々まで広がっていきます。しっとりと、そして確実に聴き手のこころへ入ってくる音と言葉にすっかり魅了されてしまいました。

池袋EDGEは音も照明も抜群に良い、とはうかがっていましたが、その前評判にたがわぬとおりでした。歌声がこちらへ届くたびに袖や胸元の布地が震える感覚があって、この環境でこのバラードを堪能できたことがとてもうれしかったです。

恁さんはといえば、ギターソロで弦を掻き鳴らすと共に感情がたかぶっていく様子。この曲は終始「ギュワワワワーン!ギュイイイイン!」と歪んだ音がうねっているイメージだったのですが、「キュピーーーン!キュイイイイイン!」と徐々に音程の上がっていくおもちゃみたいな音が使われているのを、この日はじめて知りました。
ああ、すてき、すてき!100点!

そしてそして、Regaさんの体当たりのステージング。最高!最高!最高!

6月5日の高田馬場AREAで観たルナリグもすごく鬼気迫る演奏だったのだけれど、今日はそれを上回る衝撃でした。アウトロでがくんと両膝をついたかと思うと、床に顔がつきそうなほど背中を丸め、ベースをお腹に抱え込むようにして弦をかき鳴らすのです。

眉間に深いしわを刻んでまぶたを閉じたり、頭をぐしゃぐしゃにかき乱したり。楽曲の持つストーリーがさらに厚みを増し、Regaさんの内側からわきあがる熱量を肉眼的にもたのしむことができて、すごく感激しました。

old【new】order

Old (New) Order

Old (New) Order

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
「次がラストだぞ!」と始まったのは、ライブではおなじみの『old【new】order』。 宇宙を思わせる真っ青なライトが降り注ぐなか、開放感たっぷりの曲に合わせてリスナー全員でフロアを揺らします。

この曲のときだったか、Regaさんと恁さんがドラムセットへ近寄って、サポートを務める深町晃さん(Dr.)のお顔を何度も下からのぞき込むワンシーンがありました。もともと同じバンドで活動されていた仲だからこそのちょっかいに、その当時をまったく知らない自分も胸があたたかくなって、頬が緩んでしまいました。

やがて演奏が終わり、ステージに静寂が訪れます。しかしメンバーさん達はどなたもその場に立って俯き、誰も退場しようとしません。いつものようにメロイックサインを掲げて見送ってよいものか迷ったそのとき、不意に舞台がぱっと照らされ『PERSONA』のジャジーな音色が鳴り響きます。

PERSONA

Persona

Persona

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
まさかのサプライズにわっと歓喜の声があがる中、「本当のラストはこの曲だぜ!」と柳さんがフロアの熱を煽るのです。不敵な笑みを浮かべるその表情のなんともうれしそうなこと。最後までリスナーの度肝を攻めぬく演出に、興奮が止まりません。

ああ、またプレイアーさんたちとペルソナを踊れてうれしい!柳さんも恁さんもRegaさんも体をゆらしておどってた。深町さんはドラムを叩きながら口をぱかっと開いて笑ってた。すてき、すてき!それぞれが独立した個性を放ちながら曲の輪郭を描き、時にはぶつかったり離れたりしながらバンドサウンドを作り上げていくさまを、目の前で観られることがとってもうれしい。

総力戦の音を叩き付け、いつも以上にメーターの振り切れた熱いステージ。メンバーさん達がやりきった顔で去ったあとも、客席の晴れやかな表情が消えることはありませんでした。もうもうもう今日はイベント全編をとおして大満足、どのバンドさんもリスナーさんも、みんなとってもかっこ良かったです。

セトリ

1.蝋涙に死す。
2.MIRROR MIRROR
3.[blind Circus.]
4.Lunar Regret
5.old【new】order
6.PERSONA

公演情報

2018/8.7(tue) 池袋EDGE
E.T主催EVENT
「NEO SPIRITUAL CIRCLE Vol.3 」

E.T/LANTANA/Lament./THE ENDEMIC OAK/BLESS THIS MESS/the deadly school