good night dear

sleep like a baby

20180510/BLESS THIS MESS@高田馬場AREA

はじめに

BLESS THIS MESSのライブへ行ってきました。この日は新曲を引っさげての「新章ブレメス」初公開。対バン形式のトリだったのですが、ワンマンライブと錯覚するばかりの熱量があって、とってもたのしかったです。大満足。

というわけで、当日の感想を書いてみました。

ブレメス感想

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勢いよく引かれた黒カーテンの奥から、うっすらと白くけぶったステージが現れます。

「やなぎやなぎやなぎー!!」
「じんじんじんじんー!!」
「れがれがれがー!!」

ネームコールを一身に浴びるのは、新衣装を纏ったブレメスメンバー。真っ白なドレスシャツに暗色のジャケットを羽織ったボーカルの柳さんは、黒く塗ったくちびるに笑みをたたえながらゆっくりと客席を見渡します。

今日はどんな曲からスタートなんだろう?
なんて悠長にかんがえていた次の瞬間、メロディーが響き渡りました。

MIRROR MIRROR

MIRROR MIRROR

MIRROR MIRROR

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 なんと一曲目はまさかの新曲『MIRROR MIRROR』、それもサビ始まり。えっ……!と意表をつかれている間にも、疾走感にあふれた曲はどんどん先へ先へと進んでいきます。すっかり出遅れてしまいました。

 

曲調自体はハードなのだけれど、どことなく哀愁が漂っているところがたまりません。「幸福はいつでも見えなくて」の歌声と物哀しいギターの音が絡み合ったときなどは、よろめいてしまいました。


ポロロン……ポロロン……のあとにジャンジャカジャカジャカがあって、またポロロン。そのポロジャンポロにどうしようもなく気持ちを揺さぶられて……と、語彙力をほうむりながらひとりごちてしまうのですよね。

柳さんの歌い方は『PERSONA』や『old 【new】order』に似ているかも?『醜滅醜焉』『悲恋蜉蝣』よりも癖がすくなくてフラットなかんじ。またちがった表現を味わうことができて、うれしいです。

とにかく今は、はやくフルバージョンのMVを観たいなあ。気になる、気になる。その一言につきます。

old【new】order

Old (New) Order

Old (New) Order

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 粋なウォーミングアップを終えたところで流れてきたのは、気持ちよくからだを揺らせる『old 【new】order』。開放感あふれる曲調のなかに「おなじ瞬間は二度とやって来ない、いつか必ず別れの日がくる」みたいな切なさがあって、胸がきゅっと締め付けられます。

シンセサウンドたっぷりのイントロでは、メンバーさんとフロアが一斉にジャンプして地球を離れるのだけれど、もうその瞬間からエモなのですよね……。サビで腕を大きく振るのもエモ。「雪解け過ぎてたかも 春になっても芽吹けない」の歌声がエモ。清少納言さんだってきっとこう書き出すはず。「春はあけぼの、オールドはエモ」。

オールドは本当にだいすきな曲なので、どうしても筆圧がつよくなってしまいますね。ここまで書き上げるのに、えんぴつを4本折ってしまいました。

とりわけ印象的だったのは、上手に立つ恁さんがゴキゲンなステップを踏んでいたことです。
ドラムンベースステップみたいな……、サッカーボールを足の甲やかかとで跳ね上げるときのような……なかなか活字じゃ伝えきれないのだけれど、もうとにかくたのしくって。

そのうえふと視線を横へすべらせたら、ああっ、下手は下手でレガステップが生まれているのですよ。その流れの鮮やかさたるや、守るブレメス、5-4-3のダブルプレー。あれが定番のステージングなのか分からないのだけれど、はじめて観たわたしは快楽中枢をびしばし撃たれました。

Freak Show

Freak Show

Freak Show

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 先ほどの雰囲気とは一転、お次はラップを取り入れた『Freak Show』。事務所へ所属する前からよくセトリに入っていたので、からだにも心にもすっかりなじんでいる曲です。

「ターンターンターンターン、デデンデデンデデン!」のイントロを聴くと、それだけでパブロフの犬みたいに反応してしまいます。思い入れのある曲を、メンバーチェンジを経た今のブレメスでも聴けることは、素直にうれしいです。

オー……オー……と地の底からかすかに響いてくるような声、そして最初のシャウトのあとにゆっくりと迫ってくる重低音(0:44〜)がたまらなく好きで。真っ赤なライトに染まるステージの上に、山羊頭の巨大なバフォメットの幻影を見てしまいます。

絶対的な力への畏怖、だけどふしぎと心の拠り所にしたくなる……柳さんのメロディーには、ときどきそうした宗教的なニュアンスをかんじます。だからお酒をいただかなくとも、このパートにただよう享楽的な空気だけでほろ酔いになれるのですよね。

ベースのレガさんは、いちばん活動量が多いんじゃないかしらと思うくらい、縦横無尽にステージを動き回っていました。竿を武器みたいに振り下ろしたり、みずから回転したり。

と同時に、いつも絶妙なタイミングでフロアに視線を向けて、ハンドクラップやジャンプの合図をおくってくださいます。このわかりやすさが、すごくすごくありがたいです。

MC

MCに入ると柳さんが「名前ちょうだい!」とリクエスト。ふたたびフロアには、柵から身を乗り出しての熱いコールが沸き起こりました。

この日集まったファンへ「来てくれてありがとう」と気持ちを伝え、そこから2ヶ月後にひかえた『60分限定無料ワンマン blind Circus』への告知へとつなぎます。

「今日ワンマンだと思っていいよ」
「もっと前来いよ!」

その声をきっかけに、後ろのお客さんがだーっと最前列へ飛び込んでいったのは、多幸感で胸がいっぱいになりました。またステージを見上げる横顔が、ものすごく綺麗なのですよ。瞳がガラス玉みたいにきらきらしているのです。

そうした臨場感って、短く切り取られたライブ映像じゃ決して味わえないから……なにか自分は、こういう一瞬を感じたいがためにチケットを買っているのだとすら思えてきます。

柳さんは「いま目の前にいる人たち」の顔をひとつひとつ見て、語りかけているように感じられました。そんな声のトーンと自分の耳との距離感がここちよかったです。

醜滅醜焉

醜滅醜焉

醜滅醜焉

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

ラストをかざるのは『醜滅醜焉』、ヘドバンと折り畳みを交互にくりかえす暴れ曲です。万年三等兵のわたしはすっかりへとへとであんまり記憶がないのですが、Hakuyaさんのドラムがすごく気持ちよかったのを覚えています。ぴたっと音が止まるというか。

ふと思い出されるのは、ステージ中央で熱唱する柳さんが、たまらず恁さんの髪の毛をぐしゃぐしゃにかき混ぜる一幕です。されるがままの末に二、三度あたまを振る恁さんと、自分も混ぜろよと言わんばかり、満面の笑みを浮かべて下手から寄ってくるレガさん。

ちいさなお立ち台にぎゅっとスリーピースが集まるその光景には、今日はツアーファイナルだったかな?なんて錯覚してしまいました。バンドの充実したムードが伝わってくる、忘れられない瞬間です。

ああ、本当にたのしかった。たのしかった……たのしかった。とってもとっても、ワクテカした。おっと、ついついネット用語が。拙者これではまるでオタクみたい。
なんておふざけはさておき、だいすきな曲のだいすきな音と歌声に生で触れられるのは、夢のようでした。

出順がトリだったこともあるのでしょうけれど、ワンマンのような夜。胸の熱くなる余韻をのこして、この日のライブは幕を閉じました。

セットリスト

MIRROR MIRROR
old 【new】order
Freak Show
醜滅醜焉

公演情報

Takadanobaba AREA presents
"TOY'S IN THE ATTIC"
OPEN:16:30 START:17:00
前売 ¥3,000 当日 ¥3,500
出演:BLESS THIS MESS、吉田カナミ、HuV、ジグラット、ЯeVELLION GЯIEF、Ronovell