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sleep like a baby

20180703/BLESS THIS MESS@恵比寿 club aim

はじめに

BLESS THIS MESSのプレミアムライブ&ファンミーティングへ参加してきました。

この日は恵比寿club aimで60分限定の無料ワンマンライブが開催され、その事前に有料の特別イベントが別途用意されたのです。もうもうもうとにかく笑い声の絶えないアットホームな空間で、ファンごころをくすぐる演出がたくさんありました。

無料ライブ本編のレポートはこちら。 というわけで、今回も筆圧つよめの感想です。

恁さんアコースティックライブ

開演を少し押した16時過ぎ。集まったファンの方々とおはなししていると、不意にステージ向かって下手側から「こんばんは~」と立石 恁さん(Gt.)が歩いてきました。前髪をオールバック風に編み込んだヘアスタイルで、目の周りを黒くかこんだ攻撃態勢ばっちりの姿、ではあるもののその雰囲気はのんびりとしたもの。

てっきり事前の準備かなにかにいらしたのかな、と思っていたら、よいしょ、とステージ中央に置かれた椅子に座るのです。よく見れば、その前には譜面台……ああっそれから見慣れないおおきなギターも。

なんと、もうこのときから恁さんのセクションは始まっていたのです。お隣のお客さんと「エッ」と動揺のカタカナを発し、「はじまった……」「ゆるくはじまった……」と思わず語り部になってしまいました。

そんなわけでふわっと開始した、恁さんによるアコースティックライブ。ご自身が作曲されたライブの定番曲『old 【new】order』を弾き語りで聴かせてくださる、とっても贅沢な企画です。

Old (New) Order

Old (New) Order

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
原曲はキラキラEDM系のクラブミュージック……な印象があったので、いったいどんな風になるのかなあ?と、胸が高鳴りました。

あたたかみのあるギターの音がじゃかじゃかと響き、そこに恁さんの歌声が乗っていきます。この間はじめて『[blind Circus.]』のコーラスを聴けたときに「スモーキーな声」と表現したのだけれど、やっぱり優しいお声をされているなあというのが最初の印象です。

ちょっとかすれて、気だるげで、とってもほっとする歌声。よく恁さんのツイキャスに「癒される」とか「癒しボイス」とコメントがつくのも納得です。開放感たっぷりのシンセサウンドやドラムが心地いい原曲とはまた違った、気持ちの内側にすっと染みいるような表現に、すっかり聴き入ってしまいました。

「この後はヤナが歌うからね~」だったか、終わるときもふわっとしています。もう頭から最後まで完全に恁さんの空気感なのですよね。ここから続く柳さん、Regaさんもそうなのですが、それぞれの個性がものすごく出ているイベントだったのです。

柳さんアコースティックライブ

二番手の柳さん(Vo.)はというと、ステージに現れてそうそう「すいません、マイクがないです!」とトラブル発生。この、必要なものがその場所にない、というのがもうすでに柳さんのターンという感じがしました。

柳さんのセクションは、琴の生演奏とピアノの同期に合わせて歌うというもの。ううう、これもまた本当にぜいたくな時間だと思います。まず一曲目はファーストフルアルバム『Xiall Rain』より『悲恋蜉蝣』、それから『Lunar Regret』が選曲されました。

悲恋蜉蝣

悲恋蜉蝣

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
Lunar Regret

Lunar Regret

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥200
これがまた、本当にすばらしい歌声なのです。よくアーティストさんや歌手の方にたいして「CDそのまんまの声」「喉からCD音源」なんてたとえ方がされるけれど、柳さんはその一段階上、生で聴いた方がはるかに良いと感じます。それは決してCDがよくないということではなく、生が良すぎるのですよね。

「離れかけたのに、繋ぎ止めた愛を……」と最初のフレーズを歌いだした瞬間もう、頬がゆるみきってしまって。右ほっぺも左ほっぺも、うちがわに戻ってこないのです。ちょっと一回おくちを閉じましょうと宿主が命じるのですが、いやそれは断る、俺たちほっぺさんサイドにも言い分がある、といっかんして拒否の姿勢で。

ともかく、とてもとても素敵な時間でした。それだけに二曲目がトラブルで中断してしまったのは、ちょっぴり残念。でもそれも「柳クオリティ」なのかもしれません。

レガトーーーク

残るはRegaさん(Ba.)が司会役をつとめるファンミーティング。いったい何をするのかな?と終始、あたまの上にはてなマークが浮かんでいました。

ファンの集いのような催しは、ファミコン界のレジェンド・毛利名人レトロゲームイベントにしか参加したことがないのです。音楽関係、ましてやヴィジュアル系のジャンルともなると、この日が本当の初体験。

瞬間、とつぜん陽気な洋楽BGMが流れだしました。「マイーマイーアイーヤイー……フー!!」でおなじみのこの曲は、ザ・ナックの『マイ・シャローナ』。あれ?これってなんの番組の曲だったかしら……記憶を辿ろうとしたその矢先、「はい、どーもー!!!!」なノリでRegaさんが入場してきたのです。

赤いストライプ柄のジャケットに真っ赤な超ネクタイを結んだその姿は、まさしくベタな芸人さん風の衣装で、さっきまでのしっとりとした雰囲気との高低差にどっと客席がわきます。もうここからずっと笑っちゃった。

「僕たちはブレメス大好き芸人です!みなさんもブレメス大好き芸人ですよね!?」と語るRegaさんいわく、要はTBSの人気バラエティ『アメトーク』みたいなテイストでメンバーの紹介をするというもの。しっかりフリップも作ってきていて、たぶんひな壇芸人のポジションなのだと思います。

恁さんと柳さんはそれぞれ上手と下手に立ち、Regaさんのプレゼンにひとつひとつ反応するポジション。本家アメトークでいうところの、宮迫さんと蛍原さんみたいな。でも今日はブレメスだから、レガトークかな?

ブレメス紹介

BLESS THIS MESSを形成するメンバー陣のパート紹介。今まで結構たくさんライブに通っていたはずなのに、わたしはものすごい勘違いをしていたみたい。柳さんはボーカル、恁さんはギター。Regaさんは釣りだそうです。パートは釣り。ベースのベの字も出てきませんでした。

メンバー紹介

それから、各メンバーの紹介がはじまります。柳さんに対しては「ラインの通話が長い、二時間をこえる。彼女か!!」と、のっけから痛烈なひとこと。横から恁さんも「スカイプだと6時間くらい話してる」とすかさずマイクを手にします。

それで思い出したのだけれど、前に恁さんからも同じようなことを言われていたなあって。

今年の4月くらいだったか、柳さんと恁さんがツイキャスのコラボ配信をしたときに、お二人が年末に大喧嘩をしたというエピソードが語っていらしたのですね。

それはお互いがバンドを高めていくために必要なぶつかり合いだった、とのこと。たしかに作品と真剣に向き合うクリエイターが集まれば、かならず衝突しあいますよね。きっとそれぞれに譲れないこだわりがあるでしょうから。

そんなこんなでしばらく冷戦状態が続いていたときの柳さんの不満が、「ケンカ中でもラインに絵文字を使ってほしい」というものだったのです。もう、この字面の平和さがたまりません。

「恁くん、あれいちばんだめだよ!俺、超傷ついちゃうんだからさぁ!」
「俺はヤナの彼女じゃない」
「じゃあキミが付き合ってる相手からさ、いきなり絵文字なしのラインが来たらどーーー思うの?こっちが話しかけて、はいわかりましたっていきなり絵文字なしの敬語で来たら、ねぇどうよ??どうなのそれ!!」
「俺は彼女かっ」
「俺たち群馬と東京の遠距離恋愛なんだからさ、B'zのバッドコミュニケーショーン♪はダメだよ!」

柳さんが必死に主張して、恁さんが冷静にツッコミをいれる。このあまりの熱量の差が微笑ましくって、笑ってしまったのを覚えています。こうして書き起こしてみると、むしろ柳さんが「彼女」側かも。

プレイアーからの質問

続くコーナーでは、あらかじめ回収したアンケートからどんどんクエスチョンが拾われます。

メンバーの可愛いところを言い合う流れでは、Regaさんが恁さんを「お前は可愛いと思われたいのが透けて見えるからダメだ」とばっさり、その無慈悲な返し方に笑ってしまいました。片手に持った〇✕札から、ブーッ♪と不正解の音を鳴らして。

だけど「オカマみたいなスタンプを使って」なんて言われても、恁さんは恁さんで「あれはたしかにな~」と気ままな感じ。

もうとにかくRegaさんの切れ味がするどくて、するどくて。ちょっと間違えたらケンカを売ってると思われそうなくらい、アタリが強いのですよね。

でもそういうのってお互いに全幅の信頼を置いているからこそできるもので、もちろん相手を見ているからこその愛が感じられて、だからとっても楽しかったなあ。メンバーさんたちの絆を目の当たりにできて、すごく楽しかった〜のです。

曲のノリ方おさらい

続くコーナーでは、これもまたあらかじめ回収したアンケートから意見をひろい、実際に演奏しながら振りつけを決めていきました。このときには裏で控えていたサポートドラムのHakuyaさんもスタンバイし、メンバーさん達の生演奏に合わせてライブのノリを再現していきます。

とりわけ印象的だったのはエッジの立ったロックナンバー『VENOM』です。

VENOM

VENOM

  • Bless This Mess
  • ロック
  • ¥250
「さぁ、愚かしいこの僕を笑ってよ」から続く部分のノリがまったく決まらなくて。そしたらRegaさんが「これは?」と、カニ歩きみたいに左右にステップを踏む仕草を冗談めかせて提案したのですね。

原曲だとものすごくダークに攻めていく雰囲気が、横ステップを踏むだけでたちまち「さぁ、愚かしいこの僕に〜〜〜笑ってYO☆」と変わって聴こえます。

そのなんともいいがたい野暮ったさ……に客席からくすくすと笑い声が上がる中、しかし柳さんがまさかの「じゃあ、とりあえず今日のところはそれで」と素直に受け入れてしまったのです。

瞬間、Regaさんが血相を変えて「やめて!!だめだめだめ!!絶対やめて!!」と全力阻止していて、これにはもうお腹がいたくなるくらい笑ってしまいました。「えっダメ?これダサい?」「俺は止めてほしかったんだよ!」と二人が掛け合いをする後ろで、Hakuyaさんもまた響かんばかりの声で大爆笑。

せっかくの限定イベントだからそのすべてを公開することはしないけれど、とにかく最初から最後まで大満足な時間でした。Regaさんの「俺はDir en greyみたいなノリがやりたいんだよ!」からのワンフレーズ熱唱(ちょっと京さんみたい。笑)なんて、普段のステージでは絶対に味わえないもの。

またこんな風にRegaさん進行のイベントが開催されたらいいなあ。ただ三人で座談会みたいにお話しするだけでも、ボードゲームを囲むだけでも、それだけで成立しそうな気がします。バンドの垣根をこえて、交流のあるみなさんで集まるのもおもしろそう。

メンバーさん達もプレイアーさん達もニコニコしていて、とってもとってもとっても楽しかったです。ブレメスへの気持ちがまたいっそう深まるのを感じるなか、この日のイベントは幕を閉じました。

セットリスト

1.old 【new】order
2.悲恋蜉蝣
3.Lunar Regret

公演情報

2018年7月3日(火)恵比寿club aim
BLESS THIS MESS 60分限定無料ワンマン「blind Circus.」
Starwave Records presents
OPEN 18:00 / START 18:30
※プレミアムチケット特典:本編前にメンバー3人とお客様とのライブミーティング・琴の生演奏ライブを行います。(16:00〜予定)