20180719/BLESS THIS MESS@渋谷club asia
スタフェス感想
レーベル主催の大型イベント「スターウェーブフェス Vol.19」へ行ってきました。会場の「渋谷クラブエイジア」はむかしからある老舗のクラブだそうで、青色に染まった近未来的な空間がとってもおしゃれ。
見あげるほど高い天井や、カタカナのコの字みたいに両端が突きだしたステージ、いつもブレメスを観に行く「ライブハウス」とはまったく違う雰囲気が新鮮に感じられて、すごく刺激的でした。スタフェスがなければきっと一生縁のない場所だったでしょうから、うれしいです。
というわけで、今回も筆圧つよめの感想です。
対バンの印象
DAV
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6月5日の池袋RUIDO K3ではじめて拝見したバンドさん。前回とおなじく、ピーッ!という笛の音にあわせて敬礼をする曲を披露されていました。やっぱりここのバンドさんの曲は、聴いているとちょっとどきりとさせられるものがあります。うまく説明できないのですが、仮面の下の素顔を見透かされているかんじなのです。
そしてブレメスのサポートドラムも務めてあるHakuyaさんの音が、とってもとってもかっこいい!後ろから背中を押されたり、腕をぐいっとステージに引っ張られたり、かと思えば急ブレーキをかけられたり。ものすごく音に感情を揺さぶられる感覚がします。
前回の感想はこちら。
Magistina Saga
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3月28日のレーベルフェスで拝見したことのある、関西のバンドさん。そのときはボーカルのお姉さんがステージから落っこちてしまって、ちょっと心配でした。
このあいだレーベルに加入したL.A bateさんと仲良しみたい。関西組としていっしょに頑張ってる、ってMCがありました。こういうフェス型のイベントだと、ちょっとずつ知らないバンドさんを知ることができてうれしいです。
マジサガさんは今回はじめて二列目で観ることができたのですが、庵-iori-さん(Vo.)がステージの上手・下手の端っこぎりぎりまで来て、お客さんたちに声を届けるお姿がとっても印象に残っています。
振り付けがまったくわからなくても、導かれるまま手をあげていたらわくわくしました。ラップパートのある新曲がとくに。
La'veil MizeriA
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こちらも3月28日のレーベルフェスぶりに拝見したバンドさん。白塗りのお顔に派手な髪色と血濡れのお洋服、耳をつんざくようなシャウトの嵐、首が飛んでいきそうなほど髪を振り乱す悲絶奴隷さんたちの熱量。
ステージが終わるとボーカルさんは半ば駆け出す勢いでそうそうに下手へ引き上げてしまうし……そのあまりの迫力に、またしても圧倒されてしまいました。かっこいいなあ。
わたしはこのシーンの音楽をそんなによくは知らないのですが、「ヴィジュアル系」と聞いてぱっと思い浮かべるのが、こういうミザリアさんみたいなスタイルのバンドかもしれません。
一曲目の「なんとかの夢を見続けましょう~」みたいなサビの曲、とってもすきです。
ブレメスの感想
入場
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ステージを覆うまっくろな紗幕に各バンドのMVが映し出されるなか、「次、ブレメス観ときたい!」とフロアの前のほうにぞろぞろとお客さんたちが集まりはじめました。レーベル主催のフェスとあって、平日の昼間だということを感じさせないくらい、老若男女さまざまな顔がそろっています。
やがて会場が暗転すると、たちまち「来た!!」と期待の声が沸きおこり、それまで座っていたリスナーさんたちが一斉に立ち上がりました。
無数のメンバーコールが飛び交うなか、まずはオールバック風のヘアスタイルで決めた立石 恁さん(Gt.)、満面の笑みを浮かべるサポートドラムのHakuyaさん、どこか眼光の鋭いRegaさん(Ba.)。そして最後に、スカルメイクの柳さん(Vo.)が、ステージに足を踏み入れます。
この日3ステージ目となるHakuyaさんはドラムセットの奥から笑顔をのぞかせ、なにか「やってやるぞー!」といった佇まいで、スティックを握る右手を空高くつきあげていました。
1.蝋涙に死す。
その姿に導火線がちりちりと焦げ付くのを感じるなか、この日のライブは今月リリースされたばかりのミニアルバムより、新曲『蝋涙に死す。』でスタート。「裁きをくれ!」と乞う柳さんの声に合わせて、開幕そうそうヘッドバンギングの嵐が巻き起こります。7月3日の無料ワンマンライブぶりに演奏されたこの曲は、ずっしりと重いラップパートに合わせて一斉にジャンプをする縦ノリの曲です。その途中には激しいシャウトを浴びながら高速ヘドバンをするところもあって、ここがまたすごく心地よいのですよね。
かと思えばクライマックスではとつぜん壮大なサビがやってきて、「死を待つよ……死を待つよ……」と、柳さんが一言一言を会場にしみ込ませるように、おなじフレーズを繰り返します。
このときバンドの低音を支えるRegaさんもまた、眉間にぐっと皺をきざみ、口を縦におおきく開いて、おなじフレーズを熱唱しているのが印象的でした。吠えている、といったほうがしっくり来るかもしれません。
もちろんその表情やたたずまいは、実際に歌詞を書いてうたっている柳さんとはまったく異なるもので。Regaさんにとっての「死を待つ」はどんな意味なんだろう?とすごく引き込まれてしまいました。
メンバーコールってこんなに聞こえるものなんですね。デスヴォイス気味のコール、かっこいい!7.19 渋谷club asia
— 柳【BLESS THIS MESS】 (@BLEMESS_yanagi) 2018年7月19日
「蝋燭に死す。」 pic.twitter.com/0p75OtCSe0
2.醜滅醜焉
続く『醜滅醜焉』では、「16回連続折りたたみ」で一斉に会場を揺らします。これがまた万年三等兵のわたしにはしんどく、あたまの上に体力ゲージがあったらずっと赤色のまんまだったとおもいます。いつもなら”「醜滅醜焉絶望ワーオ!!」のシャウトにあわせてオーディエンスに中指を突き立てる恁さん”を拝見できるのだけれども、この日はとてもそんな余裕がなく、『進撃の巨人』のアルミンみたいに深刻な顔つきで、自分の体力のなさをかんがえるばかりでした。
そんな事情はさておき「煩悩なる醜滅醜焉……煩悩なる醜滅醜焉……煩悩なる醜滅醜焉……3,2,1ぎゃーお!」と柳さんが吠えるところがとってもおきにいり。それからチッチチッチ!チッチッチッチ!ってずっと不規則に鳴っている音もすき。(なんの楽器なのかな?まったくわかりません)
3.PERSONA
「ペルソナはワンマンだけじゃないぞ!」「踊れるのはワンマンだけじゃないぞ!」
そんなニュアンスの言葉がセンターから放たれると同時、鳴り響くのはシャッフルナンバーの『PERSONA』です。「好きに踊ってくれ!!」との許しを眼前に、リスナーさんたちは体を揺らし、手のひらで手首を打ち、思い思いのまま音に身をゆだねていきます。
まさか対バンでこの曲が来るとはおもっていなかったので、いっきに体温が上がってしまいました。この曲が収録されているフルアルバムって2017年の12月20日リリースだったのですが、あれから半年以上聴いてもまだ、いっこうに飽きる気配がありません。ペルソナ、かっこいいなあ。
ダンサブルなメロディーが流れるなか、ぱっと曲調が変わって「Lost Venus……Lost Venus……」と攻撃的なシャウトが挟まれます。
その途中にいったんメロディがぴたっとお休みするところがあって、それまでずっと同じ流れできていた場の空気が、一瞬揺らぐのです。その絶妙なバランスがもうもうもう、だいすき。簡単には安心させてもらえない歯がゆさが、だけど不思議と癖になって、いつも陶酔しています。
4.old【new】order
最後はライブの定番曲『old【new】order』が流れ、ステージもフロアも一斉にジャンプ。いつもは同期音源で柳さんのボーカルが重なっているのですが、この日は(たぶん)それがありませんでした。いつぞやにワンマンライブを観たプレイアーさんからそのようなリクエストがあったそうなので、それをふまえての演出なのかな?と思います。
時々ちょっと歌いにくそうにもみえたのだけれど……、うーん、実際のところはどうなのでしょう。普段の同期コーラスありだと柳さんの歌声や音の粒がぶわあっとひろがって華やかな感じ、なしだと声や楽器の音がはっきり際立つかんじがしました。
曲の終盤では、上手の恁さんがひときわ前に突き出しているステージまで歩み出て、軽快なステップを披露していました。それからセンターの柳さんに寄りそって、胸の高さでギターを寝かせて演奏する場面も、また忘れられません。柳さんがすこし腰をかがめてギターに語り掛けるようにして歌う姿が、ほほえましくもあって。
そうしたメンバー同士の掛け合いみたいなものを観るたび、ライブならではの生のたのしさを感じてうれしいです。
退場
『MIRROR MIRROR』がないのはちょっと意外でしたが、新旧織りまぜたセットリストが聴けたよろこびで胸がいっぱいになりました。と同時に、言いようのない寂しさを感じるライブでもありました。それはきっとわたしがもう、寂しくないときのライブを知ってしまっているからだとおもいます。
いつか叶うなら、もう一度ここのライブハウスでブレメスを観たいな。柳さんと恁さんとRegaさんとHakuyaさん、みんなで音をたのしんでみんなで演奏しているステージをもう一度ここで観たいなあ。
プレイアーさん、他バンドのリスナーさん、そしてメンバーさん、ありがとうございました。
Jewel☆NeigeちゃんのCDも、うれしい……!です。みなさん本当にやさしくて……これからじっくり聴きますね!
ミニパンフレット
レーベルさんのオンライン限定で販売されていたプレミアムチケットの購入特典で、ミニパンフレットをいただきました。内容は、オムニバスDVDの収録曲紹介です。
ブレメスのページでは、柳さんが『MIRROR MIRROR』について書いていらっしゃいました。
そこで語られていたのは、この曲がBLESS THIS MESSからの強烈なラブソングだということ。そして、曲の終盤にある「キミの夢さえ僕が笑おう」がもっとも大切な一節にあたるということです。
ここのフレーズはわたしも惹かれていて、聴いても口ずさんでも、自分を奮い立たせるお守りのようにかんじています。それは柳さんの紡ぐ言葉や歌メロ、力強い歌い方が大きな理由なのですが、とりわけライブで聴くときには、そこにいたるまでの流れもすてきなのですよね。
目まぐるしいスピードで展開していく疾走感たっぷりの曲調、ぎゅいんぎゅいん歪みまくってうねる恁さんのギターソロ、あちー!!と唇を真横いっぱいに広げて笑いながら、全身全霊で低音をとどろかせるRegaさんのベース。そんなRegaさんとときどき視線を合わせながらずっと気持ちよさを保ちつづけるHakuyaさんのドラム。
すべてが絡み合った先にあのDメロ(かな?)が落とされたとき、いつも自然と笑顔になって、片手を高く突きあげてしまいます。
はじめてこの曲がお披露目となった5月10日の高田馬場エリアも、バンド初のハシゴライブが敢行された6月5日のツーステージ目も、このあいだのワンマンのアンコールも、『MIRROR MIRROR』を聴いてまた明日からがんばろう!ってエネルギーをいただいてきました。
だから、って言葉で文章をつなぐのはおかしいかもしれないけれど、次のライブもとってもたのしみです。
8月7日の池袋エッジ、E.Tさん主催イベント。 今までになかった雰囲気の対バンさんたちにわくわくが止まらず、ぜんぶのバンドさんのMVや映像を食い入るように観てしまいました。とってもカッコよさそう。【拡散希望】
— E.T OFFICIAL (@ET_OFFICIAL_) 2018年7月26日
E.T新アーティスト写真公開! pic.twitter.com/NFwVXy0zwQ
お客さんたちがライブでサークルモッシュやウォールオブデスをしている動画もあったから、かなり激しめなのかな?どきどき。2018.7.26池袋手刀
— E.T OFFICIAL (@ET_OFFICIAL_) 2018年8月2日
E.T ONEMAN SHOW
「BRANDNEW WORLD」
▶︎Still Alive pic.twitter.com/Kg5Wx9ffNb
きっとこの日、ブレメスは今日以上のかっこいいお姿を見せてくださるだろうから、それを心待ちにしています。
セットリスト
1.蝋涙に死す。
2.醜滅醜焉
3.PERSONA
4.old【new】order
公演情報
[Starwave Fest Vol.19〜オムニバスDVD発売記念ライブ〜]
Starwave Records presents
OPEN 14:30 / START 15:00
出演:FIXER/未完成アリス/Scarlet Valse/ラヴェーゼ/La'veil MizeriA/THE SOUND BEE HD/UNDER FALL JUSTICE/BLESS THIS MESS/Magistina Saga/DAV